介護施設のケアマネジャー連携 完全ガイド【2026年版・入所判定/ケアプラン共有/サービス担当者会議】

📅公開日:2026-08-07
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介護施設の運営において、ケアマネジャー(介護支援専門員)との連携は入所前の判定段階から入所中のケアプラン運用、退所・看取りに至るまで途切れなく続きます。特別養護老人ホーム(特養)・介護老人保健施設(老健)・介護付有料老人ホーム・グループホーム等の施設種別によって、常勤の施設ケアマネを配置する枠組みと、居宅介護支援事業所の居宅ケアマネと連携する枠組みが存在し、それぞれ介護保険法・運営基準・介護報酬体系のなかで役割が定められています。連携の質は入所者の生活の質に直結するだけでなく、施設側の運営指導・実地指導の対応、加算算定、LIFE提出データの精度にも影響します。

本記事は特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・介護付有料老人ホーム等の施設長・生活相談員・介護支援専門員を主な読者と想定し、施設ケアマネと居宅ケアマネの役割分担、入所判定におけるケアマネ意見の扱い、施設サービス計画書(ケアプラン)の作成・共有プロセス、サービス担当者会議(担当者会議)の運営、医療機関との連携(主治医意見書・診療情報提供書)、LIFE(科学的介護情報システム)への情報提出連携、2024年度介護報酬改定における関連加算の見直しについて、厚生労働省・都道府県介護保険担当課・国民健康保険中央会等の公開情報を整理した内容としてまとめています。個別の運用可否・加算算定の適合判断は、所管の指定権者(都道府県・市町村)と保険者にご確認ください。

この記事で分かること

  • 介護施設における施設ケアマネジャーの役割と配置基準
  • 居宅ケアマネと施設ケアマネの業務範囲の違い
  • 入所判定委員会におけるケアマネ意見書・アセスメント情報の位置づけ
  • 施設サービス計画書(ケアプラン)の作成・共有・モニタリングの流れ
  • サービス担当者会議の招集・議事・記録の実務
  • 主治医意見書・診療情報提供書を通じた医療機関連携
  • LIFE(科学的介護情報システム)への情報提出とフィードバック活用
  • 2024年度介護報酬改定における関連加算の主要変更点

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1. 介護施設内ケアマネジャーの役割

特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・介護医療院等の介護保険3施設には、介護支援専門員の配置が運営基準で義務づけられており、入所者100人またはその端数を増すごとに1人以上(常勤・兼務可)を配置することとされています(指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準)。施設ケアマネジャーは、入所者ごとの施設サービス計画(ケアプラン)の作成・変更・実施状況の把握(モニタリング)・サービス担当者会議の招集・記録管理を主要業務とし、生活相談員・介護職員・看護職員・機能訓練指導員・栄養士・医師(配置医師または協力医療機関の医師)と多職種チームで連携します。

施設ケアマネの業務範囲は居宅ケアマネと共通する部分(アセスメント・計画作成・モニタリング・給付管理関連情報の管理)と、施設固有の要素(多職種カンファレンスの中核運営・看取り期対応・退所時の居宅ケアマネへの引継ぎ)に分かれます。施設サービス計画は、居宅介護支援における居宅サービス計画とは異なり、施設内で提供される介護・看護・機能訓練・食事・入浴・排泄等の一体的サービスの計画書として作成されます。

2. 居宅ケアマネ vs 施設ケアマネ

ケアマネジャー(介護支援専門員)は所属先によって役割が異なります。居宅介護支援事業所に所属する居宅ケアマネは、在宅で介護保険サービスを利用する要介護者を対象に、居宅サービス計画(ケアプラン)の作成・給付管理票の作成・サービス事業所との連絡調整を担います。一方、介護保険施設に所属する施設ケアマネは、当該施設に入所している要介護者を対象に、施設サービス計画の作成・多職種連携・モニタリングを担当します。以下に主要な違いを整理します。

項目居宅ケアマネ施設ケアマネ
所属居宅介護支援事業所介護保険施設(特養・老健・介護医療院等)
対象在宅の要介護者施設入所中の要介護者
計画書居宅サービス計画施設サービス計画
担当上限1人あたり39件が標準(逓減制の基準)入所者100人に対し1人以上(兼務可)
給付管理票作成・国保連提出作成対象外(施設側で一体請求)
報酬居宅介護支援費として算定施設介護報酬に包括

居宅ケアマネは1事業所あたりの担当件数上限(逓減制)が定められており、2024年度改定でICT活用等の要件を満たす場合の逓減制緩和が拡充されました。施設ケアマネは配置基準の枠内で入所者全員を対象に計画を作成するため、担当件数は施設規模により決まります。両者は入所・退所時に情報連携が必要で、居宅ケアマネから施設ケアマネへ、または施設ケアマネから居宅ケアマネへの引継ぎ文書の交付が実務上の要となります。

3. 入所判定でのケアマネ意見

特別養護老人ホームへの入所は、2015年の介護保険法改正以降、原則として要介護3以上が対象となり(要介護1・2は特例入所)、各施設に設置される入所判定委員会での判定を経て入所順位が決定されます。厚生労働省の通知「指定介護老人福祉施設の入所に関する指針」に基づき、都道府県が定める指針を踏まえて各施設が判定基準を策定します。判定にあたっては、要介護度・認知症の状況・介護者の状況・住居環境・在宅生活継続の困難度等を総合的に評価します。

入所判定においては、申込者を担当する居宅ケアマネジャーが作成する意見書・アセスメント情報が重要な判断材料となります。居宅ケアマネは在宅生活の実態・介護者の負担状況・利用中の居宅サービス(訪問介護・通所介護・短期入所等)の内容と限界点を把握しており、その情報が申込書類に添付されます。特例入所(要介護1・2)を検討する場合は、認知症による日常生活困難、知的障害・精神障害等、深刻な虐待疑い、単身または同居家族が高齢・病弱で家族介護が困難、といった事情の裏付け情報を居宅ケアマネが提示することが実務上求められます。

4. ケアプラン作成・共有

施設サービス計画書(ケアプラン)は、施設ケアマネジャーが入所者本人・家族の意向を確認し、アセスメント(課題分析)を経て第1表(施設サービス計画書1)・第2表(施設サービス計画書2)・第3表(週間サービス計画表)等の様式で作成します。標準様式は厚生労働省通知「介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について」で示されており、多くの施設がこの標準様式または準拠様式を採用しています。

作成プロセスは、①アセスメント(課題分析標準項目23項目を用いた情報収集)→②原案作成→③サービス担当者会議での検討→④本人・家族への説明と同意(署名・押印)→⑤サービス実施→⑥モニタリング(少なくとも6か月に1回、または入所者の状態に変化があった時)→⑦計画見直し、という循環で進行します。施設内では計画書をユニット職員・介護職員・看護職員・機能訓練指導員・栄養士・医師と共有し、日々のケア記録(介護記録・看護記録)とすり合わせながら運用します。

近年は介護記録ソフト・介護記録アプリ(Care-wing・ほのぼの・ワイズマン・カイポケ等)を導入し、ケアプランと日次記録・バイタル記録・排泄記録・食事摂取量記録を電子化して多職種で同時参照する運用が広がっています。電子化により記録の重複入力削減、モニタリング判断の迅速化、LIFE提出データの品質向上が期待できます。

5. サービス担当者会議

サービス担当者会議(担当者会議)は、施設ケアマネジャーが招集する多職種カンファレンスで、施設サービス計画の作成時・変更時・状態変化時等に開催します。参加者は、担当ケアマネジャー・生活相談員・介護職員(ユニットリーダー等)・看護職員・機能訓練指導員・栄養士・医師(必要に応じて)・本人・家族が基本構成です。会議では、①現在の状況(ADL・IADL・認知機能・生活意欲・医療的ケア等)の共有、②課題(ニーズ)の整理、③目標(長期目標・短期目標)の設定、④支援内容の具体化、⑤役割分担の確認、を行います。

2021年度以降、テレビ会議・オンライン会議での担当者会議参加が、本人・家族の同意等の要件を満たせば認められる運用が拡充されました。感染症流行時・遠方家族の参加・専門職の移動負担軽減の観点から、Zoom・Microsoft Teams等を活用したハイブリッド開催が実務に定着しています。会議録は「サービス担当者会議の要点」として第4表相当の様式で記録し、参加者・欠席者(欠席の場合の照会内容)・検討事項・結論を残します。実地指導・運営指導では、担当者会議の開催頻度・記録の網羅性・本人家族への説明同意の証跡が確認対象となります。

6. 医療機関連携(主治医意見書・診療情報提供書)

介護施設と医療機関の連携は、入所前の要介護認定申請段階から始まります。要介護認定においては、市町村が申請者の主治医に対し主治医意見書の作成を依頼し、認定調査結果と併せて介護認定審査会で審査判定を行います(介護保険法第27条)。主治医意見書には傷病名・症状・生活機能・認知症の中核症状およびBPSD・サービス利用に関する意見が記載され、施設ケアマネはこの情報をアセスメントの重要な入力情報として活用します。

入所中の医療機関連携では、①配置医師(特養)または常勤医師(老健・介護医療院)による日常的診療、②協力医療機関・かかりつけ医との連絡、③急変時・入院時の情報共有(診療情報提供書・看護サマリー・介護サマリー)、④退院時共同指導・退院前カンファレンスへの参加、が中心的な連携場面です。2024年度介護報酬改定では、協力医療機関との連携体制を評価する「協力医療機関連携加算」が創設され、協力医療機関との定期的会議開催・急変時対応体制の整備が要件化されました。

入院・入所の移行局面では、施設ケアマネジャーと病院の医療ソーシャルワーカー(MSW)・退院支援看護師との情報連携が要点になります。厚生労働省の通知に基づき、退院時共同指導の実施や、退院・退所加算に係る情報連携文書の交付が実務上運用されています。

7. LIFE提出連携

LIFE(Long-term care Information system For Evidence/科学的介護情報システム)は、厚生労働省が運用する介護分野のデータベースで、事業所からアップロードされた入所者・利用者の状態・ケア内容の情報を分析し、フィードバック情報を事業所へ返送する仕組みです。2021年度介護報酬改定で「科学的介護推進体制加算」等のLIFE関連加算が導入され、施設ケアマネジャーはケアプラン作成・モニタリングの過程でLIFE提出項目(ADL・栄養・口腔・認知症等)の情報を収集し、事業所単位で厚生労働省のシステムに送信します。

LIFE関連加算は、①科学的介護推進体制加算、②個別機能訓練加算(Ⅱ)、③ADL維持等加算、④リハビリテーションマネジメント加算、⑤褥瘡マネジメント加算、⑥排せつ支援加算、⑦自立支援促進加算、⑧栄養マネジメント強化加算、⑨口腔衛生管理加算等が設定されており、施設種別ごとに適用可能な加算が異なります。フィードバック情報は事業所単位・利用者単位で提供され、PDCAサイクル(Plan・Do・Check・Act)に基づくケア改善の資料として活用することが想定されています。

LIFE提出データの品質は、①アセスメントの正確性、②多職種による評価の整合性、③電子記録との連動性、に依存します。施設ケアマネは介護職員・看護職員・機能訓練指導員・栄養士による評価情報を統合する立場にあり、提出データの中核調整役となります。

8. 2024年度介護報酬改定の関連事項

2024年度(令和6年度)介護報酬改定では、施設サービスと居宅介護支援に関する多くの見直しが行われました。ケアマネジャー連携に関わる主要な変更点を以下に整理します。詳細は厚生労働省の告示・通知および解釈通知を参照してください。

項目主な内容
協力医療機関連携加算(施設)特養・老健等の介護保険施設と協力医療機関との連携体制を評価する加算が創設。定期的会議・急変時対応体制の整備が要件
高齢者施設等感染対策向上加算感染症対応力向上のため、第二種協定指定医療機関等との連携体制整備を評価
科学的介護推進体制加算LIFEへの情報提出とフィードバック活用のPDCAサイクル運用を継続評価
看取り介護加算ACP(人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセス)の推進が要件に反映
居宅介護支援の逓減制ICT活用または事務職員配置を要件とする逓減制緩和の要件見直し
特定事業所加算(居宅介護支援)ヤングケアラー支援等の多様な支援ニーズへの対応が要件に追加
入院時情報連携加算(居宅介護支援)入院時の情報提供に係る評価の見直し

これらの改定内容は施設ケアマネと居宅ケアマネの実務双方に影響します。特に協力医療機関連携加算は、施設側が協力医療機関を明示的に定め、年1回以上の会議開催と定期的な情報共有を行う体制整備が要件となるため、施設ケアマネジャーが会議記録・情報共有記録の管理を担う場面が増える見込みです。

9. よくある質問(FAQ)

Q1. 特養の入所判定でケアマネ意見書は必須ですか
都道府県の入所指針および各施設の入所判定基準により運用が異なりますが、多くの自治体・施設で申込書類に居宅ケアマネ意見書またはアセスメント情報の添付が求められる運用が一般的です。単身高齢者・介護者不在等で担当ケアマネがいない場合は、地域包括支援センター等が代替情報を提供する場合があります。所管の指定権者と各施設の入所判定基準を確認してください。
Q2. 施設ケアマネと居宅ケアマネを兼務できますか
介護保険施設の施設ケアマネジャーは、当該施設の他の業務との兼務は可能とされていますが、居宅介護支援事業所の居宅ケアマネとの兼務については、指定基準と地域運用により制約があります。原則として同時期の兼務は避け、専任配置が推奨される運用が広く採られています。詳細は所管の指定権者(都道府県・市町村)にご確認ください。
Q3. サービス担当者会議をオンラインで開催してよいですか
2021年度以降の運用で、テレビ会議・オンライン会議での担当者会議参加は、本人・家族の同意等の要件を満たせば認められる運用が拡充されています。個人情報保護・通信環境の担保・記録の整備が前提となります。厚生労働省の解釈通知および所管の運営指導方針をご確認ください。
Q4. LIFE提出の頻度と項目は施設種別で違いますか
LIFEへの情報提出の頻度・項目は加算ごと・施設種別ごとに定められています。科学的介護推進体制加算では6か月に1回以上、その他の加算では加算ごとに規定される頻度で提出します。詳細は厚生労働省「LIFE関連加算に関する基本的考え方並びに評価項目等の事務処理手順及び留意事項について」の通知を参照してください。
Q5. 主治医意見書はどの医師が作成しますか
主治医意見書は要介護認定の申請時に、申請者の主治医が市町村からの依頼を受けて作成します。かかりつけ医がいない場合は、市町村が指定する医療機関で作成することもあります。施設入所後は配置医師または協力医療機関の医師が引き続き主治医的役割を担う場合があり、更新認定時には施設側で意見書作成の調整を行うことが実務上一般的です。

10. 関連内部リンク・次のステップ

介護施設のケアマネジャー連携は、入所判定・ケアプラン運用・多職種連携・医療機関連携・LIFE運用・介護報酬改定と、複数の運営テーマと接続します。自施設の状況に応じて、以下の関連記事も参考にしながら、多職種連携体制の整備と加算算定の適合性確認を並行して進めることが有用です。

11. 出典・参考資料

  • 厚生労働省「介護保険制度の概要」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/gaiyo/index.html (取得日:2026-08-07)
  • 厚生労働省「令和6年度介護報酬改定について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00048.html (取得日:2026-08-07)
  • 厚生労働省「指定介護老人福祉施設の入所に関する指針」関連通知 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000073294.html (取得日:2026-08-07)
  • 厚生労働省「介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/gyousei/index.html (取得日:2026-08-07)
  • 厚生労働省「科学的介護情報システム(LIFE)」関連情報 https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/newpage_00002.html (取得日:2026-08-07)
  • 厚生労働省「要介護認定の仕組みと手順」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/nintei/gaiyo1.html (取得日:2026-08-07)
  • 厚生労働省「介護支援専門員(ケアマネジャー)に関する情報」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000200126.html (取得日:2026-08-07)
  • 国民健康保険中央会「介護給付適正化・介護報酬請求」関連情報 https://www.kokuho.or.jp/ (取得日:2026-08-07)
  • 公益財団法人 介護労働安定センター「介護労働の現状」関連資料 https://www.kaigo-center.or.jp/ (取得日:2026-08-07)

【免責事項】本記事は厚生労働省・国民健康保険中央会・公益財団法人介護労働安定センター等の公開情報を整理することを目的としており、個別の施設運営における人員配置基準の適合可否判断、加算算定要件の該当性判断、実地指導・運営指導の対応方針を保証するものではありません。介護保険法・関連省令・告示・通知・介護報酬点数は改正・改訂により見直されるため、個別判断は所定の専門人材(社会保険労務士・介護コンサルタント・所属都道府県または市町村介護保険担当課)にご確認ください。本記事の情報利用によって生じた損害について、mitoru編集部は責任を負いません。

最終更新日:2026年8月7日|編集方針

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