※本記事には広告(PR)が含まれます。mitoru編集部は公開情報を整理して比較・解説しており、表示順位や評価は広告主からの依頼ではなく編集部の独自判断によります。
看護師国家試験は厚生労働省が年1回・例年2月中旬に実施する国家試験で、看護師免許取得の最終関門に位置づけられます。直近5年の新卒合格率は95%前後で推移する一方、既卒受験者の合格率は45%前後と二極化が進んでおり、対策設計の良否が結果を左右する構造になっています。本記事では厚生労働省・看護師国家試験委員会・日本看護協会の公開資料を基に、試験制度・出題形式・合格基準・1年間の対策ロードマップ・主要予備校/通信講座/オンライン教材の公開情報・実習との両立・再受験戦略までを2026年版として整理します。
この記事でわかること
- 看護師国家試験の制度概要(実施時期・受験資格・出願スケジュール)
- 出題形式(必修問題・一般問題・状況設定問題)と配点構造
- 合格基準(必修8割・一般状況設定の総合得点)と合格率の推移
- 1年前・半年前・直前期の学習ロードマップ
- 主要予備校・通信講座・オンライン教材の公開情報整理
- 実習との両立方法・再受験者の戦略
看護師国家試験の制度概要 — 年1回・2月実施・厚生労働大臣が認定
看護師国家試験は保健師助産師看護師法第18条に基づき厚生労働大臣が実施する国家試験です。厚生労働省「看護師国家試験の施行」(出典)によれば、試験は年1回、例年2月中旬の日曜日に全国12〜13都道府県の試験地で一斉実施され、合格発表は3月下旬に厚生労働省が官報および同省ウェブサイトで行います。試験事務は厚生労働省医政局看護課が所管し、出題基準の策定・合格判定は看護師国家試験委員会が担当します。
受験資格は保健師助産師看護師法第21条に定められており、文部科学大臣指定の学校(4年制大学・短大3年課程・看護専門学校3年課程)または厚生労働大臣指定の養成所を卒業見込みであることが基本要件となります。准看護師から進学する場合は、看護師2年課程(全日制2年・定時制3年・通信制2年)の修了が要件となり、通信制は准看護師としての実務経験7年以上が出願条件です。
出願スケジュールは厚生労働省「看護師国家試験」の公示に従い、例年11月上旬〜中旬に願書受付、2月中旬に試験、3月下旬に合格発表という流れです。出願に必要な書類は受験願書・写真・卒業見込証明書(または卒業証明書)・返信用封筒で、修業地を管轄する地方厚生局保健福祉部健康福祉課に提出します。出願不備による受験不可は毎年一定数発生するため、出願期間内の早期提出が推奨されます。
出題形式 — 必修問題・一般問題・状況設定問題の3区分
看護師国家試験の出題は厚生労働省「看護師国家試験出題基準」(出典)に基づき、必修問題・一般問題・状況設定問題の3区分で構成されます。総出題数は240問で、午前120問・午後120問の2セッション、試験時間は午前2時間40分・午後2時間40分の合計5時間20分です。マークシート方式で、択一式(1つ選択)と複数選択式(2つ選択)が混在します。
必修問題(50問・1問1点・配点50点)
必修問題は看護師として最低限身につけておくべき基礎知識を問う区分で、午前25問・午後25問の合計50問が出題されます。出題範囲は「目標Ⅰ:看護師として基本的な資質と能力の基盤となる知識を問う」「目標Ⅱ:基本的な臨床看護技術を問う」「目標Ⅲ:看護の対象および看護活動の場と看護の機能に関する基本的な知識を問う」の3目標で、解剖生理・基礎看護技術・看護倫理・医療安全・感染対策・主要疾患の基本知識が中心となります。配点は1問1点・合計50点で、必修問題のみ独立した合格基準(8割=40点以上)が設定されている点が特徴です。
一般問題(130問・1問1点・配点130点)
一般問題は看護学全般の知識を問う区分で、午前65問・午後65問の合計130問が出題されます。出題科目は人体の構造と機能・疾病の成り立ちと回復の促進・健康支援と社会保障制度・基礎看護学・成人看護学・老年看護学・小児看護学・母性看護学・精神看護学・在宅看護論・看護の統合と実践の11科目で、看護師養成課程のカリキュラム全領域が対象となります。配点は1問1点・合計130点です。
状況設定問題(60問・1問2点・配点120点)
状況設定問題は患者の症例文を読み、看護過程の各段階(アセスメント・看護診断・計画・実施・評価)における判断を問う区分です。1事例につき3問の連問形式が基本で、午前30問・午後30問の合計60問が出題されます。配点は1問2点・合計120点で、知識の暗記だけでは対応できず、臨床推論力が問われる区分として近年難化傾向にあります。事例は急性期・慢性期・周産期・小児・精神・在宅・終末期と多領域に及び、過去問演習による設問パターンの理解が不可欠です。
合格基準と合格率の推移 — 必修8割の独立基準が壁に
看護師国家試験の合格基準は厚生労働省が試験ごとに公表する形式で、必修問題と一般問題・状況設定問題の2軸で評価されます。直近の試験では「必修問題40点以上/50点(80%以上)」かつ「一般問題+状況設定問題の合計が概ね6〜7割(年度により補正あり)」の両方を満たすことが合格要件となっています。一般・状況設定の合格ラインは試験の難易度に応じて毎年度調整され、近年は160点〜170点前後(250点満点)で推移しています。
必修問題は「固定基準」として設定されており、ここで40点を下回ると一般・状況設定の得点に関わらず不合格となります。この独立基準が「必修落ち」と呼ばれる不合格パターンを生んでおり、対策設計上、必修問題への重点投下が合否を分ける構造です。
直近の合格率(厚生労働省発表)
厚生労働省「看護師国家試験の合格発表」(出典)の公表値を整理すると、看護師国家試験の全体合格率は概ね90%前後で推移しており、新卒受験者と既卒受験者の間で大きな差があります。第113回(2024年2月実施)では受験者数約63,000人・合格者数約56,000人・全体合格率約87%、新卒合格率は約93%、既卒(再受験)合格率は約44%と公表されています。
- 新卒合格率:概ね93〜95%(養成課程在学中の知識が新鮮で、模試・直前対策が機能しやすい)
- 既卒合格率:概ね40〜50%(学習リズムが途切れ、必修対策の独立設計が不十分なケースが多い)
- 全体合格率:概ね87〜90%(新卒比率が高いため全体は高水準を維持)
合格率は高水準に見えますが、年間6,000〜8,000人の不合格者が出ている計算であり、特に既卒受験者は半数以上が不合格となる構造です。この差は学習継続性・必修問題への独立対策・模試での弱点把握の3点で説明されることが多く、対策ロードマップの設計品質が結果に直結します。
1年前・半年前・直前期の対策ロードマップ
看護師国家試験対策は試験日(2月中旬)から逆算した1年間のロードマップが基本設計となります。在学中の受験生は実習スケジュールとの両立、既卒受験生は学習リズムの再構築が論点となります。以下は公開されている予備校・養成校のカリキュラム公開情報を基に整理した標準的なロードマップです。
1年前〜半年前(試験前年4月〜9月):基礎固め期
- 解剖生理・疾病の成り立ち・基礎看護学の3科目を中心に、各科目1冊の標準テキストを通読
- 過去問題集(直近5年分)の1周目に着手し、出題範囲全体の俯瞰を完了する
- 必修問題対策アプリ・問題集を並行運用し、毎日10〜20問の継続演習を習慣化する
- 実習期間中は記録物作成と並行する形で、毎日30分の必修問題演習を固定化する設計が現実的
半年前〜3か月前(試験前年10月〜11月):演習量拡大期
- 過去問題集の2周目に入り、誤答した設問のみを抽出した弱点ノートを作成する
- 状況設定問題の事例演習を集中的に実施し、看護過程の判断パターンを定着させる
- 主要予備校の模試(東京アカデミー・さわ研究所・メディックメディア等)を受験し、現在地と全国順位を把握する
- 必修問題は8割(40点)を安定して取れる水準まで仕上げる
直前期(12月〜2月):弱点補強と本番慣れ
- 過去問題集3周目で、誤答頻度の高い設問を集中的に潰す
- 必修問題対策を最優先化し、毎日50問を1セットとして本番形式で時間を測る
- 直前模試(1月)で総合点と必修得点の両方を確認し、不足科目を集中補強する
- 試験1週間前は新規範囲に手を広げず、既習範囲の総復習と体調管理に注力する
主要予備校・通信講座・オンライン教材の公開情報整理
看護師国家試験対策の主要予備校・教材は通学型・通信型・オンライン型に分類でき、それぞれ運営方針・費用感・教材形態が異なります。以下は各社の公式ウェブサイトで公開されている情報を整理したもので、最新の費用・コース内容は各社公式サイトで確認することを推奨します。
東京アカデミー(通学+通信)
東京アカデミーは看護師国家試験対策の老舗予備校で、全国30校以上で通学講座を運営しています。公式サイト(https://www.tokyo-ac.jp/)によれば、通年コース・直前対策コース・全国模試の3本柱で展開し、全国規模の模試「東京アカデミー全国公開模試」は受験者数の多さで知られています。通信講座(クローズアップシリーズ等)は地方在住者・実習中の受験生向けの選択肢として整理されています。費用・スケジュールは校舎・年度により異なるため公式の最新情報を確認してください。
さわ研究所(通学+通信+夏期/直前講座)
さわ研究所は看護師国家試験対策に特化した予備校で、夏期講習・冬期講習・直前講習の単発受講が中心です。公式サイト(https://www.sawakenkyujo.com/)によれば、養成校への出張講習・全国主要都市での集合講習・通信講座を展開しており、自校採用テキスト「黒本(看護師国試対策本)」は受験生の間で広く知られています。短期集中型の対策を求める受験生・既卒受験生の活用が公開情報上は多い傾向です。
メディックメディア(QBオンライン・必修対策アプリ)
メディックメディアは『クエスチョン・バンク(QB)看護師国家試験問題解説』『レビューブック』等の出版社として知られ、オンライン問題演習サービス「QBオンライン」を運営しています。公式サイト(https://informa.medicmedia.com/)によれば、QBオンラインは過去問・予想問題のスマートフォン演習・成績管理・弱点抽出機能を備え、紙のQB書籍と組み合わせた学習設計が一般的です。書籍購入者向けのコードでオンライン利用が可能なプランが公開情報上は中心となっています。
ナーシングRAKUTA(オンライン講座)
ナーシングRAKUTA(看護師国家試験対策オンライン講座)は近年拡大しているオンライン専業の対策サービスです。公開情報によれば、月額制または年額制のサブスクリプション型でビデオ講義・問題演習・質問対応を提供しており、地方在住者・社会人受験生・実習多忙期の受験生の利用が想定されています。サービス内容・費用は変更されるため公式サイトの最新情報を確認することを推奨します。
教材選定の整理軸
- 通学型(東京アカデミー・さわ研究所等):学習リズムを外部設計したい受験生・既卒受験生・モチベーション維持が課題の受験生に適合
- 通信型(クローズアップシリーズ等):地方在住・実習多忙期の受験生・通学が困難な受験生に適合
- オンライン型(QBオンライン・ナーシングRAKUTA等):スマートフォン主体で隙間時間学習を重視する受験生・コストを抑えたい受験生に適合
- 書籍+アプリ独学:自走できる新卒受験生・養成校の学内対策が充実している受験生に適合
QBオンライン・必修対策アプリ — スマホ演習の設計
2020年代以降、看護師国家試験対策ではスマートフォン演習アプリの活用が標準化しています。代表的なものに「QBオンライン(メディックメディア)」「看護roo!国試対策(クイック社)」「ナースタ(リクルート系)」等があり、いずれも過去問演習・解説閲覧・成績管理・弱点抽出を備えています。
アプリ学習の活用設計は「机に向かう時間=書籍と問題集」「移動時間・休憩時間=アプリ」と役割分担するのが一般的です。アプリ単独で完結させる設計はテキスト体系の俯瞰が不足しがちで、書籍との併用が公開情報上は推奨されています。必修問題対策に特化したアプリ(必修ラ・スパ等)も流通しており、直前期の最終確認用として位置づけられます。
実習との両立 — 実習期間中の学習設計
看護師養成課程の受験生にとって、3年次(または4年次)の臨地実習期間と国試対策期間が重なることが最大の論点です。実習中は記録物作成・カンファレンス準備・睡眠時間の確保で学習時間が圧迫されるため、実習期と非実習期で学習設計を分ける必要があります。
- 実習期間中:1日30分の必修問題演習を固定化し、学習継続のリズムを途切れさせないことを最優先とする
- 実習領域に対応した範囲を集中学習:成人看護学実習中なら成人看護学、母性看護学実習中なら母性看護学を並行学習し、実習体験を知識定着に活用する
- 非実習期(実習合間・夏休み):解剖生理・疾病の成り立ち等の基礎科目を集中投下する
- 実習終了後(12月以降):直前期対策に全面シフトし、過去問3周目・模試・弱点補強を集中実施する
養成校では「学内国試対策講座」「全員参加の校内模試」を組み込んでいるケースが多く、これらを学習設計の柱に据えると外部教材への投資を抑えられます。学内対策の充実度は学校ごとに差があるため、教員・先輩からの情報収集と公開されているシラバスの確認が活用設計の前提となります。
再受験者の戦略 — 既卒合格率45%の壁を超える設計
既卒受験者(再受験者)の合格率は概ね40〜50%で推移しており、新卒合格率(93〜95%)と比較すると約半分の水準です。厚生労働省「看護師国家試験の合格発表」の公表値を見ると、この差は毎年安定しており、再受験者特有の対策設計の重要性が示唆されます。
再受験者が陥りやすい3つのパターン
- 必修問題対策の独立設計が不十分:一般・状況設定の対策に時間を割き、必修問題で40点を下回るパターン
- 学習リズムの再構築が遅れる:卒業後の生活リズム変化で、学習時間の確保が後ろ倒しになるパターン
- 最新の出題基準への対応漏れ:出題基準は概ね4年ごとに改定されており、古いテキスト・古い過去問だけでは新傾向に対応できないパターン
再受験者向けの対策設計
- 前年度の自己採点結果を分析し、必修問題と一般・状況設定の弱点科目を特定する
- 予備校の既卒者向けコース(東京アカデミー再受験生コース・さわ研究所夏期講習等)の活用で学習リズムを外部設計する
- 最新版の出題基準(厚生労働省公表)・最新版の過去問題集・最新版のレビューブックを揃え、旧版を残さない
- 必修問題の独立対策を最優先化し、必修問題集を3周完了させてから一般・状況設定の演習に入る
- 働きながら受験する場合は、勤務シフトと学習時間の固定化(毎日2時間・週末5時間等)を合意ベースで設計する
よくある質問(FAQ)
- Q1. 看護師国家試験はいつ実施されますか?
A. 厚生労働省「看護師国家試験の施行」によれば、年1回・例年2月中旬の日曜日に全国12〜13都道府県の試験地で実施されます。合格発表は3月下旬、出願は前年11月上旬〜中旬です。 - Q2. 合格基準はどのように決まりますか?
A. 合格基準は試験ごとに厚生労働省が公表し、必修問題は8割(40点/50点)以上の固定基準、一般問題+状況設定問題は試験全体の難易度に応じて160〜170点前後(250点満点)が合格ラインとして公表されています。必修で40点を下回ると総合得点に関わらず不合格となります。 - Q3. 独学で合格できますか?
A. 養成校で学内対策が充実している場合や、自走できる学習習慣がある場合は独学合格者も一定数います。一方、既卒受験者・学内対策が手薄な養成校の在学生は、予備校・通信講座・オンライン講座の活用で学習リズムを外部設計するアプローチが合格率向上に寄与する傾向が公開情報上は示されています。 - Q4. 必修問題で不合格になるパターンを避けるにはどうすればよいですか?
A. 必修問題は8割の固定基準が設定されているため、一般・状況設定とは別建ての対策が要点です。必修問題に特化した問題集・アプリを直前期まで継続演習し、模試で必修得点を毎回確認する設計が公開情報上は標準的です。 - Q5. 看護師国家試験対策にかかる費用の目安は?
A. 通学予備校(年間コース)は数十万円規模、通信講座は5〜15万円規模、オンライン講座は月額数千円〜年額数万円、書籍+アプリ独学は2〜5万円規模が公開情報上の目安です。具体的な費用は各社の公式サイトで最新情報を確認することを推奨します。
出典・参考資料
- 厚生労働省「看護師国家試験の施行」https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/kangoshi/
- 厚生労働省「看護師国家試験出題基準」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp110216-01.html
- 厚生労働省「看護師国家試験の合格発表」https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_kango.html
- 厚生労働省「看護職員の現状と推移」https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_30787.html
- 日本看護協会「看護職の資格・教育」https://www.nurse.or.jp/nursing/education/index.html
- 東京アカデミー(看護師国家試験対策)https://www.tokyo-ac.jp/
- さわ研究所(看護師国家試験対策)https://www.sawakenkyujo.com/
- メディックメディア(QBオンライン)https://informa.medicmedia.com/
関連記事(mitoru編集部おすすめ)
mitoru編集部の見解
看護師の働き方は2024年4月の医師働き方改革の余波で多様化しています。常勤・夜勤専従・派遣・訪問看護それぞれにメリットとリスクがあり、mitoru編集部は「ライフステージに応じて働き方を切り替える」前提でキャリア設計することを推奨します。1社のエージェント情報だけで判断せず、公的統計(厚労省「看護職員確保対策」)と複数情報源の突合が基本動作です。