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在宅医療クリニックの収益と質の両面で要となるのが、緊急往診加算・特別管理指導料・在宅患者連携指導料といった「24時間体制と急変対応」を裏付ける算定項目です。2026年度改定後の運用では、在宅療養支援診療所(在支診)・在宅療養支援病院(在支病)の届出要件、24時間連絡体制の実態、特別管理対象患者の重症度区分の解釈で返戻・査定が増加する傾向が見られます。本記事では、厚生労働省告示および地方厚生局公開資料をもとに、緊急往診加算・特別管理指導料を中心とした在宅医療関連算定の要件、24時間体制の現実的な設計、レセプト返戻の典型パターン、自院チェックリストを整理します。算定可否の最終判断は管轄地方厚生局および診療報酬請求事務担当者にご確認ください。
この記事の対象読者:在宅医療クリニック(在支診・在支病・通常の診療所)の院長・事務長、在宅医療部門の立ち上げを検討する医療法人の経営層、訪問診療の算定実務を担当する医事スタッフ。
この記事でわかること(要約)
- 緊急往診加算の制度概要と算定要件、在支診・在支病の区分別点数の整理
- 24時間連絡体制・24時間往診体制の届出要件と現実的な体制設計
- 特別管理指導料(重症度別)の対象患者要件と算定回数制限
- 在宅患者連携指導料・在宅患者緊急時等カンファレンス料の活用
- 急変時対応フロー(連絡受信〜往診判定〜事後記録)の標準設計
- 看取り加算・在宅ターミナルケア加算との接続点
- レセプト返戻の典型パターンと事前防止策
- 24時間体制が組めない場合の連携在支診・後方支援病院の活用
- 自己解析チェックリスト10項目とFAQ
1. 緊急往診加算の制度概要
緊急往診加算は、在宅で療養している患者の急性増悪・新たな症状発現等に対して、医師がやむを得ず往診を行った場合に、往診料に加算して算定する評価項目です。診療報酬告示(医科)C000「往診料」の注に位置づけられており、2026年度診療報酬改定後も継続して在宅医療提供体制の中核加算として運用されています。詳細は厚生労働省「令和6年度診療報酬改定について(2026-06-11 取得)」および地方厚生局の通知をご確認ください。
制度趣旨と算定区分
緊急往診加算の制度趣旨は、24時間体制で在宅患者の急変に対応する医療機関のインセンティブ確保にあります。算定区分は届出区分により大きく異なり、機能強化型在支診・在支病(病床あり/なし)、通常の在支診・在支病、その他の保険医療機関の3層構造で点数が設定されています。算定要件として、緊急往診加算は「往診料が算定できる場合」かつ「患者または家族からの要請を受け、可及的速やかに往診を行った場合」が前提となります。
算定にあたっての共通要件
- 計画的・定期的な訪問診療ではなく、急性増悪等による緊急要請に基づくものであること
- 緊急要請を受けてから速やかに(同日中の対応が原則)往診したものであること
- 診療録に緊急性の根拠(症状・要請時刻・往診時刻・所見)を記載していること
- 往診料本体が算定できる要件(患家の求め、診療上の必要性)を満たしていること
- 同一日に複数の在宅関連報酬を算定する場合の組み合わせ制限に留意していること
診療録の記載は返戻防止の最重要ポイントです。「電話受信時刻」「症状の聴取内容」「緊急性ありと判断した医学的根拠」「往診出発時刻・到着時刻」「現場所見と処置内容」を一連の流れで記録できるテンプレートを電子カルテに準備しておくと、後日の審査照会にも対応しやすくなります。

2. 24時間体制要件(在支診・在支病)
緊急往診加算の点数を最大化するには、在宅療養支援診療所(在支診)または在宅療養支援病院(在支病)の届出が出発点となります。在支診・在支病は、厚生労働省告示「特掲診療料の施設基準等」に要件が定められており、24時間連絡体制・24時間往診体制・24時間訪問看護体制等の整備が求められます。厚生労働省「在宅医療の推進について(2026-06-11 取得)」が制度全体の俯瞰資料として活用できます。
在支診の届出区分
在支診は大きく次の3区分があり、機能強化型ではさらに病床の有無で細分化されます。届出時点での実績要件・人員配置要件が異なるため、自院の体制と将来計画から逆算した区分選択が重要です。
| 区分 | 主な要件(概要) | 位置づけ |
|---|---|---|
| 機能強化型在支診(単独型) | 常勤医師3人以上、過去1年の緊急往診10件以上・看取り4件以上等の実績 | 単独で高水準の在宅医療を提供する診療所 |
| 機能強化型在支診(連携型) | 連携する複数施設で常勤医師3人以上・緊急往診10件以上・看取り4件以上を満たす | 地域連携で高水準在宅医療を提供する診療所群 |
| 通常の在支診 | 24時間連絡体制・24時間往診体制・24時間訪問看護体制等 | 標準的な在宅療養支援機能を持つ診療所 |
具体的な人数・実績件数は告示および地方厚生局通知に明記されています。自院の届出可否を判断する際は、各管轄地方厚生局の最新通知(地方厚生(支)局一覧・2026-06-11 取得)の様式・実績算定期間をあらかじめ確認してください。
24時間連絡体制と24時間往診体制
24時間「連絡」体制と24時間「往診」体制は別概念です。連絡体制は患者・家族・訪問看護ステーションからの問い合わせを24時間受信できる窓口の整備、往診体制は医師が24時間出動して在宅対応できる人的・連絡網の整備を指します。在支診・在支病の届出ではこの両方が求められます。
- 連絡窓口の単一化:患者と訪問看護ステーション側に告知する連絡先電話番号は1つに統一し、転送設定で時間帯別の受信者を切り替える運用が一般的
- 医師オンコール表の作成:複数医師がいる場合は週次・月次のオンコール当番表を作成し、訪問看護ステーション・連携病院と共有
- 記録の自動化:受信時刻・対応者・対応内容(電話指示/往診出動)を後日抽出できるログ形式で保存
- 連携型の場合:連携する複数診療所間で当番分担表を作成し、患者側にもいずれの医療機関にも連絡できる旨を事前説明
在支病の届出要件と後方支援機能
在支病は、診療所が単独で24時間体制を組むことが難しい地域での後方支援機能を担う病院に対する評価です。許可病床数の上限・在宅医療部門の整備・他の保険医療機関からの患者受け入れ体制等が要件となります。在支病が地域に存在することで、診療所が患者の入院ニーズに対応しやすくなり、在宅医療ネットワーク全体が機能します。詳細な算定要件・人員配置等の確認は、厚生労働省「診療報酬改定資料(2026-06-11 取得)」および「社会保険診療報酬支払基金(2026-06-11 取得)」の審査情報を参照してください。
3. 特別管理指導料の算定要件
特別管理指導料は、在宅で特別な管理を要する患者に対する管理・指導を評価する報酬群の総称として用いられる表現で、診療報酬上は「在宅時医学総合管理料(在医総管)」「施設入居時等医学総合管理料(施医総管)」の重症患者区分の加算や、訪問看護指導料における特別管理加算等として運用されています。在宅医療クリニックの実務では、特に在医総管・施医総管における重症度区分の判定が算定額に直結します。
特別な管理を要する患者の主な区分
「特別な管理を必要とする」と評価される患者の主な区分は告示で例示されています。代表的なものを整理すると次のとおりです(詳細条件・該当範囲は告示原本で確認してください)。
- 在宅人工呼吸指導管理を受けている患者
- 気管切開を行っている患者・人工肛門または人工膀胱を設置している患者
- 真皮を越える褥瘡を有する患者
- 在宅中心静脈栄養法・在宅成分栄養経管栄養法等を受けている患者
- 麻薬注射等を含む医療用麻薬による疼痛管理を受けている患者
- 在宅自己腹膜灌流・在宅血液透析を受けている患者
- 留置カテーテル等の処置(点滴・経管栄養等)を要する患者
上記の解釈は地方厚生局の疑義解釈や審査基準により細部の運用が分かれるため、新規算定患者が発生した際は医事担当者と医師で「該当区分・根拠資料・診療録記載内容」を事前にすり合わせる運用が望まれます。
診療録記載と計画書管理
- 在宅療養計画書:患者ごとに療養計画を作成し、月次の達成状況を診療録上で評価
- 重症度判定根拠:人工呼吸器設定値・褥瘡深達度(DESIGN-R等)・栄養法の種類等、客観的な裏付け記載を保存
- 処置記録の継続性:処置を行っている患者では、毎回の訪問で処置内容と所見を継続的に記録
- 区分変更の根拠:重症度区分が変動した月は、変動理由(症状改善・新規処置開始等)を診療録に明記
算定回数制限と併算定ルール
在医総管・施医総管は月1回の包括算定が原則であり、特別管理対象患者の加算もそれに準じます。同一月に重複算定できない管理料・指導料の組み合わせがあり、また訪問頻度(月1回/月2回以上)でも点数が分岐します。算定誤りを防ぐため、医事システム上で「同月内併算定不可項目」のアラートを設定する、または医事担当者の月末チェックリストに項目を明記する運用を推奨します。
4. 在宅患者連携指導料・在宅患者緊急時等カンファレンス料
在宅患者連携指導料および在宅患者緊急時等カンファレンス料は、在宅医療を支える多職種連携を評価する報酬です。訪問看護ステーション・薬局・歯科・ケアマネジャー等との情報共有およびカンファレンスを通じて、患者の急変予防と療養計画の質を高めることが制度趣旨です。
在宅患者連携指導料
在宅患者連携指導料は、診療所・病院・訪問看護ステーション・薬局・歯科診療所等が、文書(医療情報連携ネットワーク等を含む)により療養上必要な情報を共有し、それに基づいて療養上必要な指導を行った場合に算定する報酬です。算定要件として、共有された情報を診療録に記録すること、共有日と指導日を区別して記録することが求められます。
在宅患者緊急時等カンファレンス料
在宅患者緊急時等カンファレンス料は、患者の急変等に際して、関係する多職種が患家等に集まり、または情報通信機器を用いてカンファレンスを実施した場合に算定する報酬です。カンファレンスの内容・参加者・実施日時を診療録に記録することが要件です。情報通信機器を活用したカンファレンスは、新型コロナウイルス感染症対応を契機に運用が拡大しました。詳細は厚生労働省「在宅医療の推進について(2026-06-11 取得)」を参照してください。
連携記録の管理ポイント
- 連携先機関(訪問看護ステーション・薬局・歯科診療所等)の名称と担当者を診療録に記録
- 共有した文書のコピーまたは電子化保存(医療情報連携ネットワーク経由の場合はログ)
- カンファレンス参加者名簿・実施日時・主たる議題・決定事項の議事録化
- 連携指導とカンファレンスは別報酬であり、同一日同一目的での重複算定の可否を要確認
5. 急変時対応のフロー設計
緊急往診加算を確実に算定するには、急変時対応のフローを標準化し、対応の各段階で必要な記録が自動的に残る設計が重要です。フローを文章化しないまま現場のオンコール医に判断を委ねると、診療録記載の抜け・連絡受信時刻の不正確・往診判断根拠の薄さが返戻リスクを高めます。
標準フローの5段階
| 段階 | 対応内容 | 記録ポイント |
|---|---|---|
| 1. 連絡受信 | 患者・家族・訪問看護師からの電話を受ける | 受信時刻・連絡者・症状の聴取内容 |
| 2. 緊急性判定 | 医師がトリアージし、電話指示/往診/救急要請のいずれかを判断 | 判断根拠と判断時刻、医師名 |
| 3. 出動・移動 | 往診を選択した場合、患家に向かう | 出発時刻・到着時刻・持参薬剤等 |
| 4. 診察・処置 | 現場で診察・処置・家族説明を実施 | 所見・処置内容・指示事項・帰宅時刻 |
| 5. 事後記録・連携 | 診療録記載と関係機関への共有 | 診療録完成・訪問看護ステーション等への申し送り |
電話指示で終了する場合の留意点
急変連絡を受けても、必ずしも往診となるとは限りません。電話指示で経過観察となるケースも多く、緊急往診加算は「実際に往診を行った場合」のみ算定可能です。電話指示で完結した場合でも、受信時刻・指示内容・判断根拠・予定する次回対応(翌日訪問等)を診療録に記録しておくことで、後日急変時の経過説明や監査対応に活用できます。
6. 看取り加算との関係
在宅医療の終末期では、緊急往診加算と看取り加算・在宅ターミナルケア加算等が連続して関係します。在宅看取り体制を整備したクリニックでは、終末期の急変対応からそのまま看取りに至るケースが少なくなく、各加算の要件と算定順序を整理しておくことが重要です。
関連加算の整理
- 在宅ターミナルケア加算:死亡前一定期間に訪問診療または往診を一定回数以上行い、療養上の指導を実施した場合の加算
- 看取り加算:在宅で患者を看取った場合の加算(往診料または訪問診療料に対する加算)
- 死亡診断加算:在宅で患者の死亡診断を行った場合の加算
- 緊急往診加算:終末期の急変時に行った往診も、要件を満たせば算定可能
各加算の算定要件・点数は厚生労働省「令和6年度診療報酬改定について(2026-06-11 取得)」の告示および通知で確認できます。終末期患者の急変連絡を受けた段階で、看取り対応となる可能性を見込んで、家族への事前説明(自宅看取りの意思確認)と関係機関への申し送りを整えておく運用が望まれます。
7. レセプト返戻の典型パターン
緊急往診加算・特別管理関連の算定では、社会保険診療報酬支払基金および国民健康保険団体連合会の審査で次のような返戻・査定が見られます。事前に典型パターンを把握しておくことで、医事担当者の月末チェックリストに反映できます。社会保険診療報酬支払基金の公開資料は「社会保険診療報酬支払基金(2026-06-11 取得)」、国民健康保険団体連合会の連合組織は「国民健康保険中央会(2026-06-11 取得)」をご参照ください。
典型パターン一覧
| パターン | 背景 | 事前防止策 |
|---|---|---|
| 緊急性根拠の不足 | 診療録に緊急性の医学的根拠が記載されていない | 受信時刻・症状・判断根拠の記載テンプレ整備 |
| 計画的訪問との混同 | 定期訪問日と同日の往診を緊急と申請 | 定期訪問日には別途緊急要請があった場合に限り申請 |
| 同月併算定不可項目の重複 | 在医総管と訪問診療料の同月併算定など | 医事システムで同月併算定不可アラート設定 |
| 特別管理要件の誤判定 | 褥瘡深達度・人工呼吸器装着期間等が要件未達 | 新規該当患者の発生時に根拠資料を医事と共有 |
| 24時間体制届出の有効性 | 届出後の体制変更(医師退職等)を未届のまま算定継続 | 体制変更時に届出更新のフロー化 |
| 連携指導料の文書不備 | 共有文書のコピーや連携ログが保存されていない | 連携時の電子保存ルール統一 |
これらのパターンは、いずれも記録設計と医事フローで防止可能です。月次のレセプトチェック時に「緊急往診加算が算定された患者リスト」を別途出力し、医師と医事担当者が該当診療録を確認する運用を組み込むと返戻率を抑えやすくなります。
8. 自己解析チェックリスト(10項目)
自院の在宅医療体制が緊急往診加算・特別管理関連算定を適切に運用できているかを点検するためのチェックリストです。各項目をスタッフ会議の場で点検し、未達項目から優先的に整備を進めてください。
- 在支診・在支病の届出区分が自院の実態に合致しており、変更時には届出更新を行っているか
- 24時間連絡窓口の電話番号が患者・訪問看護ステーション・連携先に周知されているか
- 医師オンコール表が月次で作成され、関係機関に共有されているか
- 急変連絡の受信記録(時刻・対応者・症状・判断)が標準テンプレで残る運用になっているか
- 緊急往診時の出発・到着・帰宅時刻が電子カルテに記録できるフォーマットになっているか
- 特別管理対象患者の重症度区分とその根拠(人工呼吸器設定・褥瘡深達度等)が診療録に明記されているか
- 在宅療養計画書が患者ごとに作成・更新され、家族にも共有されているか
- 連携指導料・カンファレンス料の算定時に、共有文書・参加者名簿等の根拠資料が保存されているか
- 月次レセプトチェックで、緊急往診加算・在医総管・特別管理関連項目の検算が実施されているか
- 看取り・ターミナルケア関連加算と緊急往診加算の連続算定ルールを医師・医事で共有しているか
9. 24時間体制が組めない場合の代替
常勤医師1〜2名のクリニックで単独24時間体制を維持することは現実的に困難です。在宅医療への参入を志向する場合、連携型機能強化型在支診の枠組みや、後方支援病院・訪問看護ステーション・地域医師会との連携モデルが選択肢となります。
連携型機能強化型在支診の活用
連携型機能強化型在支診は、複数の診療所が連携して常勤医師数・緊急往診実績・看取り実績を合算的に満たすことで、機能強化型の点数体系を適用できる仕組みです。連携協定書の作成、患者へのいずれの医療機関にも連絡可能である旨の事前説明、連携先間での当番分担表の運用が要件となります。
後方支援病院との連携
急変時に診療所単独で対応できない場合に備え、入院受入可能な後方支援病院(在支病等)との事前協定を結ぶことが推奨されます。患者・家族にも「夜間急変時は連携先病院に搬送する可能性」を事前説明することで、急変時の意思決定がスムーズになります。地域の医療連携体制は、各都道府県の地域医療構想・在宅医療連携拠点事業の枠組みを参照すると整理しやすくなります(「在宅医療の推進について」2026-06-11 取得)。
訪問看護ステーションとの一体運用
- 24時間対応体制加算を算定する訪問看護ステーションと連携することで、夜間の一次トリアージを看護師が担う体制を構築
- 看護師による電話対応で経過観察可能と判断された場合、医師の往診出動を抑制
- 医師往診が必要と判断された場合の連絡フロー(看護師→医師の連絡経路)を文書化
- 共同訪問・同行訪問の機会を計画的に設けることで、相互の判断基準をすり合わせる
10. よくある質問(FAQ)
- Q1. 計画的訪問診療と同日に往診を行った場合、緊急往診加算は算定できますか
- 計画的訪問診療後に、別途緊急要請を受けて改めて往診した場合は要件を満たせば算定可能なケースがあります。ただし「定期訪問の延長」「予定された再訪」と判断される場合は算定できません。診療録に「定期訪問終了時刻」「再要請の受信時刻と理由」「往診出発時刻」を明記し、別件であることが客観的に分かる記録を残してください。最終判断は管轄地方厚生局にご確認ください。
- Q2. 訪問看護師からの電話で往診した場合も緊急往診加算の対象になりますか
- 原則として、緊急往診加算は患者・家族からの要請に基づく往診が対象とされていますが、訪問看護師が患家から要請を受けて医療機関に連絡する形態は実務上一般的です。診療録に「患家側の症状訴え→訪問看護師による医療機関への連絡→医師の緊急性判断」という経路を明記しておくことで、要請の起点が患者側であることを示しやすくなります。具体的な解釈は告示・通知および地方厚生局の運用に従ってください。
- Q3. 機能強化型在支診の実績要件(緊急往診10件・看取り4件)はどの期間で集計しますか
- 実績期間は告示および地方厚生局通知で定められた集計期間に従います。届出年度・直近1年といった基準が示されているため、届出書様式と添付書類で求められる集計範囲をあらかじめ確認してください。連携型の場合は連携施設全体での合算となりますが、各施設のカウント方法(重複の排除等)も通知で示されています。
- Q4. 特別管理対象の褥瘡患者は、深達度の判定根拠をどう記録すべきですか
- 「真皮を越える褥瘡」の判定には、客観的な深達度評価が必要です。日本褥瘡学会のDESIGN-R等の標準的な評価指標による記録、写真記録、処置内容の継続記載が裏付けになります。月1回以上は深達度評価を更新し、改善・悪化の経過が診療録から追えるようにしておくと、審査照会時にも対応しやすくなります。
- Q5. オンコール医師が複数いる場合、どの医師の名義で算定すべきですか
- 実際に往診を行った医師の名義で算定するのが原則です。複数医師がオンコール体制を組んでいる場合でも、当該患者の往診担当となった医師の診療行為として記録・請求します。オンコール当番表で当番医師を明示しておくこと、患者カルテに「往診担当医師名」を明記することで、後日の確認が容易になります。なお、医師資格・診療行為に関する一般的な根拠は「医師法(e-Gov法令検索)(2026-06-11 取得)」をご参照ください。
- Q6. 在医総管の重症度区分変更は、月の途中で行えますか
- 在医総管は月1回の包括算定であるため、月の途中で重症度区分が変動した場合、当該月の算定区分の取扱いは告示・通知に従って判断する必要があります。診療録に「区分変更の判断時点」「新区分の根拠」を明記し、医事担当者と区分確定のタイミングを擦り合わせる運用を組み込むと、月末請求時の混乱を防げます。地方厚生局の疑義解釈も併せてご確認ください。
11. 出典・参考資料
- 厚生労働省「令和6年度診療報酬改定について」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000196352.html(2026-06-11 取得)
- 厚生労働省「在宅医療の推進について」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000061944.html(2026-06-11 取得)
- 厚生労働省「医療施設調査」https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/79-1.html(2026-06-11 取得)
- 厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000516275.html(2026-06-11 取得)
- 地方厚生(支)局一覧(厚生労働省)https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/(2026-06-11 取得)
- 社会保険診療報酬支払基金https://www.ssk.or.jp/(2026-06-11 取得)
- 国民健康保険中央会https://www.kokuho.or.jp/(2026-06-11 取得)
- e-Gov法令検索「医師法」https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=323AC0000000201(2026-06-11 取得)
免責事項:本記事は厚生労働省告示・地方厚生局通知・公的公開資料をもとに編集部が整理した情報提供を目的としており、特定の届出区分・算定方法の採用を保証するものではありません。各算定要件・点数・解釈は改定・通知更新により変動します。実際の届出・算定にあたっては管轄地方厚生局および診療報酬請求事務担当者にご確認ください。
最終更新日:2026-06-11 情報取得基準日:2026-06-11
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mitoru編集部の見解
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