多職種連携カンファレンス運営 完全ガイド【2026年版・退院前カンファ/サービス担当者会議/ICT活用】

📅公開日:2026-07-06
本記事は公開情報を整理した内容です。掲載情報は2026年7月時点の公開資料に基づき作成しています。最新情報は各公式発表をご確認ください。

※本記事には広告(PR)が含まれます。mitoru編集部は公開情報を整理して比較・解説しており、表示順位や評価は広告主からの依頼ではなく編集部の独自判断によります。

多職種連携カンファレンスは、退院支援・在宅療養支援・地域包括ケアの中核をなす業務プロセスとして、医療機関・介護事業所・行政の各主体で運用されています。2024年度診療報酬改定・介護報酬改定では、入退院支援加算の見直し、退院時共同指導料の要件整理、サービス担当者会議のICT活用の位置づけ明確化などが進み、対面・非対面を組み合わせた運営設計の重要性が増しています。本ガイドは、病院看護部長・地域連携室・訪問看護師・ケアマネジャーの方が、退院前カンファレンス・サービス担当者会議・在宅患者訪問診療料と連携するカンファレンス・ICT活用を、公開情報ベースで整理するためにまとめた内容です。

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具体的な診療報酬・介護報酬の算定要件、カンファレンス開催頻度、ICTツールの選定、個人情報保護対応は、施設種別・保険者・地域の実情により取り扱いが異なります。本記事は厚生労働省・地方厚生局・中央社会保険医療協議会(中医協)・社会保障審議会介護給付費分科会の公開資料を出発点とした整理にとどめており、実際の届出・算定・運用判断は、地方厚生局・所属自治体・顧問の医療コンサルタントへの確認を前提にご活用ください。

多職種連携の制度的背景と政策上の位置づけ

多職種連携は、限られた医療・介護資源を地域全体で機能分担しながら、患者・利用者の生活を切れ目なく支えるための政策的枠組みとして整理されてきました。厚生労働省「地域包括ケアシステム」のページでは、医療・介護・予防・住まい・生活支援が一体的に提供される地域の姿が示され、その実現手段として多職種による情報共有と協働が位置づけられています。カンファレンスは、この協働を具体的な場面で実現する運用上の起点となります。

医療と介護の連携推進事業

厚生労働省「在宅医療・介護連携推進事業について」のページでは、市町村が保険者として在宅医療と介護の連携を推進する事業の枠組みが整理されています。事業項目には、地域の医療・介護資源の把握、切れ目のない在宅医療と在宅介護の提供体制の構築推進、多職種の情報共有支援、多職種連携研修などが含まれ、市町村の在宅医療介護連携支援センターが実施主体となる運用が示されています。カンファレンスは、これらの事業項目を日常的に実行する場として位置づけられます。

介護保険法上のサービス担当者会議

介護保険法に基づく居宅介護支援では、指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準において、介護支援専門員(ケアマネジャー)がサービス担当者会議を開催することが業務として位置づけられています。ケアプランの原案作成・変更、要介護認定の更新・区分変更などの場面で、利用者・家族・サービス担当者の間で情報共有と方針調整を行う会議として設計されており、開催記録の保存も運営基準上の要件となっています。

診療報酬・介護報酬における連携関連項目

診療報酬では、入退院支援加算・退院時共同指導料・在宅患者訪問診療料・在宅患者共同診療料など、多職種連携を前提とした項目が整理されています。介護報酬では、居宅介護支援費・退院退所加算・特定事業所加算などにおいて、サービス担当者会議の開催や退院時カンファレンスへの参加が算定要件として明示されている項目があります。カンファレンスは、算定要件を満たす運用と、実務上の情報共有の質の両面から設計する必要があります。

  • 制度上の枠組み:地域包括ケアシステム・在宅医療介護連携推進事業・介護保険法の運営基準
  • 政策方向:切れ目のない在宅医療と在宅介護・多職種情報共有・ICT活用
  • 報酬上の接点:入退院支援加算・退院時共同指導料・退院退所加算・特定事業所加算
  • 主体:医療機関・訪問看護・訪問診療・居宅介護支援・地域包括支援センター・在宅医療介護連携支援センター

退院前カンファレンスと入退院支援加算

退院前カンファレンスは、入院医療機関の医師・看護師・退院支援担当者と、退院後に関与する在宅医・訪問看護師・ケアマネジャー・介護サービス担当者などが集まり、退院後の療養方針・生活環境・サービス調整を共有する会議として運用されています。診療報酬上は、入退院支援加算の運用や退院時共同指導料の算定要件と連動しており、開催時期・参加職種・記録の残し方が実務上の論点となります。

入退院支援加算の枠組み

入退院支援加算は、退院支援に関する体制を評価する加算として整理されており、専従・専任の退院支援担当者の配置、退院支援計画の作成、退院困難な患者の早期抽出などが施設基準・算定要件として示されています。2024年度改定では、入退院支援における医療・介護連携の強化、地域の医療機関・介護事業所との連携体制の整備が改めて位置づけられました。詳細は厚生労働省「令和6年度診療報酬改定について」のページと、地方厚生局の疑義解釈で確認する運用が基本となります。

退院時共同指導料

退院時共同指導料は、入院医療機関の医師・看護師等が、退院後の在宅療養を担う医師・看護師等・ケアマネジャー・薬剤師等と共同で、退院後の在宅療養上の指導を行った場合に算定できる項目として整理されています。対面での実施が原則とされる一方、情報通信機器を用いた実施に関する要件も改定を経て整理されてきました。算定回数・カンファレンス実施の記録・指導内容の文書提供など、施設基準・算定要件の細目を疑義解釈で確認しながら運用することが求められます。

開催のタイミングと参加者

退院前カンファレンスの開催時期は、退院日の1〜2週間前を目安に設定される運用が一般的で、患者・家族の意向確認、在宅サービスの調整、医療処置の引き継ぎ、緊急時の連絡体制の確認などを議題として構成されます。参加者は、病棟看護師・退院支援看護師・MSW・主治医(担当医)・薬剤師・リハビリ職・栄養士など院内メンバーに加え、退院後に関与する在宅医・訪問看護師・ケアマネジャー・介護サービス担当者・地域包括支援センター職員が含まれる構成となります。

  • 入退院支援加算:退院支援体制の評価・専従/専任配置・退院支援計画
  • 退院時共同指導料:在宅療養担当職種との共同指導・情報通信機器の活用要件
  • 開催時期:退院1〜2週間前が目安・患者/家族の意向確認前提
  • 院内参加者:病棟看護師・退院支援看護師・MSW・主治医・薬剤師・リハ職・栄養士
  • 院外参加者:在宅医・訪問看護・ケアマネ・介護サービス担当・地域包括支援センター

サービス担当者会議(介護保険)の運営

サービス担当者会議は、介護保険法に基づく居宅介護支援の運営基準においてケアマネジャーが開催する会議として位置づけられており、ケアプランの原案作成・変更、要介護認定の更新・区分変更などの場面で、利用者・家族・サービス担当者の間で情報共有と方針調整を行うことが定められています。厚生労働省「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」に基づく運用が基本となります。

開催の契機と義務

運営基準上、サービス担当者会議は、居宅サービス計画の原案の作成、要介護更新認定を受けた場合、要介護状態区分の変更の認定を受けた場合などに開催することが位置づけられています。開催が困難なやむを得ない事情がある場合には、担当者への照会等により専門的な意見を求めることで代替できる旨も規定されており、実務上は開催・照会の判断根拠を記録に残しておくことが基本となります。

参加者と役割分担

参加者は、利用者・家族と、ケアプランに位置づけられたサービス担当者(訪問介護・訪問看護・通所介護・通所リハ・福祉用具貸与などの事業所職員)で構成されます。ケアマネジャーが議長として進行し、アセスメント結果・ケアプラン原案・各サービスの提供内容・生活上の課題・緊急時対応などを議題として整理する運用が一般的です。医療的ケアが必要な利用者では、訪問診療医・訪問看護師の参加が重要な論点となります。

記録と保存

サービス担当者会議の記録は、運営基準上、居宅介護支援に関する記録として整備・保存が求められます。会議録には、開催日時・場所・参加者・議題・専門的意見・決定事項・次回開催予定などを整理して残す運用が基本です。保存期間は、指定居宅介護支援の運営基準に基づき、当該居宅サービス計画等の完結の日から2年間(自治体条例により延長される場合あり)が示されています。

  • 開催契機:ケアプラン原案作成・要介護更新認定・区分変更認定・状態変化時
  • 代替措置:やむを得ない事情がある場合の担当者への照会
  • 参加者:利用者・家族・ケアプラン位置づけサービス担当者・医療関係職種
  • 記録:開催日時・場所・参加者・議題・専門的意見・決定事項
  • 保存:居宅サービス計画等の完結の日から2年間(自治体条例で延長あり)

在宅患者訪問診療料・在宅患者共同診療料との連携

在宅医療では、在宅患者訪問診療料・在宅時医学総合管理料・在宅患者共同診療料などの項目が診療報酬上整理されています。多職種カンファレンスは、これらの項目の運用と密接に関係しており、訪問診療医・訪問看護師・薬剤師・ケアマネジャーとの情報共有の場として機能します。訪問診療計画の変更、看取り期の方針調整、急変時対応の確認などが典型的な議題となります。

在宅患者訪問診療料の位置づけ

在宅患者訪問診療料は、通院が困難な患者に対して、計画的・定期的な訪問診療を行う場合に算定できる項目として整理されています。同一建物居住者と単独居住者の区分、24時間対応体制、緊急時の対応体制など、施設基準・算定要件の細目が定められており、訪問看護・訪問薬剤管理指導・ケアマネジャーとの連携が運用上の前提となります。詳細は厚生労働省・地方厚生局の告示・通知・疑義解釈で確認する運用が基本です。

在宅患者共同診療料と共同カンファレンス

在宅患者共同診療料は、在宅療養支援診療所等の医師と、他の医療機関の医師が共同で訪問診療を行う場合の枠組みとして整理されており、専門性の高い医療的判断が必要な場合や、地域の複数医療機関で在宅患者を支える運用の中で用いられます。カンファレンスは、共同診療の方針調整・役割分担の確認・急変時対応の共有の場として機能し、情報共有の記録が重要となります。

訪問看護との連携

訪問看護は、医療保険・介護保険のいずれの制度からもサービス提供が行われる領域で、訪問看護指示書に基づく計画的な訪問と、24時間対応・ターミナルケア・特別管理加算対象患者への対応が実務上の重点となります。訪問診療医・訪問看護師・薬剤師・ケアマネジャーの間で、症状変化・家族介護力・在宅療養継続の可能性を共有するカンファレンスは、在宅療養の質を左右する運用要素となります。

  • 在宅患者訪問診療料:計画的定期訪問・同一建物区分・24時間対応
  • 在宅患者共同診療料:複数医療機関の共同訪問診療・専門性補完
  • 訪問看護との連携:訪問看護指示書・24時間対応・特別管理加算対象患者
  • カンファレンス議題:訪問診療計画変更・看取り期方針・急変時対応

ICT活用(MCS等)と情報通信機器を用いたカンファレンス

多職種連携におけるICT活用は、地域の医療・介護資源の距離を超えた情報共有を可能にする手段として運用されてきました。厚生労働省「医療DX」のページや、在宅医療介護連携推進事業の運用事例集では、MCS(メディカルケアステーション)などの多職種連携ツールを活用した情報共有・非同期コミュニケーション・オンラインカンファレンスの活用事例が整理されています。診療報酬・介護報酬上のカンファレンス関連項目では、情報通信機器を用いた実施に関する要件も改定を経て整理されており、対面と非対面の使い分けが実務上の論点となります。

MCS等の多職種連携ツール

MCS(メディカルケアステーション)は、日本医師会が公認する非公開型の医療介護専用SNSとして運用されており、患者・利用者ごとにグループを作成し、多職種で経過・処置内容・生活状況を共有できる仕組みが整備されています。他にも、地域医師会・自治体が導入する地域連携システム、電子カルテ連携基盤、汎用ビデオ会議ツール(セキュリティ要件を満たすもの)などが運用されています。ツール選定は、地域の運用実態・利用職種・費用負担・個人情報保護要件を踏まえて検討することが基本です。

情報通信機器を用いたカンファレンスの要件

診療報酬・介護報酬では、退院時共同指導料・退院退所加算・サービス担当者会議等について、情報通信機器を用いた実施に関する要件が改定を経て整理されてきました。具体的には、厚生労働省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」や、医療情報システム安全管理ガイドラインで示される情報セキュリティ要件を踏まえた運用が求められます。実施時は、参加者の本人確認、通信の暗号化、記録の保存、患者・家族の同意確認などを一連の運用手順として整備することが基本となります。

非同期コミュニケーションと会議の使い分け

多職種連携ツールは、リアルタイムの会議に加えて、日常的な非同期コミュニケーション(経過共有・写真共有・処置内容の共有等)の場としても活用されます。運用設計としては、緊急度・共有内容の重要度に応じて、非同期チャット・オンライン会議・対面会議を使い分ける枠組みを、参加者・事業所間で合意しておくことが実務上の起点となります。全てを会議で完結させようとすると開催負担が過大になるため、非同期で共有できる情報の範囲を整理することが持続可能な運用の前提です。

  • ツール例:MCS(医療介護専用SNS)・地域連携システム・電子カルテ連携基盤・セキュア会議ツール
  • 要件:本人確認・通信暗号化・記録保存・患者/家族の同意
  • 準拠指針:医療情報システム安全管理ガイドライン・オンライン診療実施指針
  • 運用:同期(会議)と非同期(チャット)の使い分け・共有範囲の事前合意

情報共有と個人情報保護

多職種カンファレンスでは、患者・利用者の医療情報・介護情報・生活情報を職種横断で共有します。共有の適法性・適正性は、個人情報保護法・医療介護関係事業者向けガイダンス・医療情報システム安全管理ガイドラインに基づき整理する必要があります。ICT活用が進む中で、共有範囲の適正化・記録の保存・患者/家族の同意確認は、運用上の継続的な論点となります。

医療・介護関係事業者向けガイダンス

厚生労働省「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」では、医療・介護分野における個人情報の取扱いに関する留意事項が整理されています。院内・事業所内の利用目的の特定、第三者提供の考え方(オプトアウトによる第三者提供が制限される要配慮個人情報の取扱いを含む)、共同利用の枠組み、業務委託時の監督などが具体的に示されており、多職種連携における情報共有の適法性判断の出発点となります。

共同利用と第三者提供

個人情報保護法上、特定の者との間で個人データを共同利用する場合には、利用者に共同利用する旨・共同して利用される個人データの項目・共同利用者の範囲・利用目的・管理責任者などを通知または本人が容易に知り得る状態に置くことが求められます。地域の医療・介護連携における情報共有では、共同利用の枠組みを整理することで、その都度の同意取得を要さずに継続的な連携運用を行える整理が示されています。運用時は、対象範囲・項目・利用目的の明確化と、患者/利用者への情報提供の設計が起点となります。

医療情報システム安全管理ガイドライン

厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」では、医療情報を電子的に取り扱う際の技術的・組織的安全管理措置が整理されています。ICTを活用した多職種カンファレンスでは、通信の暗号化、アクセス制御、監査ログの保存、外部保存の要件などが該当し、事業所・医療機関ごとに規程整備と職員教育が求められます。ツール導入時は、ベンダー資料と本ガイドラインの整合を確認することが実務の起点となります。

  • ガイダンス:医療・介護関係事業者向け(利用目的・第三者提供・共同利用)
  • 共同利用の枠組み:項目・利用目的・共同利用者範囲・管理責任者の明示
  • 安全管理:通信暗号化・アクセス制御・監査ログ・外部保存要件
  • 準拠:個人情報保護法・医療情報システム安全管理ガイドライン

効率的な会議運営の設計

多職種カンファレンスは、参加者が多く、開催頻度も高いため、限られた時間で情報共有と意思決定を行う設計が持続可能な運用の前提となります。議題の絞り込み、事前情報共有の徹底、ファシリテーションの標準化、記録の様式化、次回開催の予約化などを、地域・事業所間の運用ルールとして整理する運用が実務上の起点です。

事前準備と議題設計

カンファレンスの成否は事前準備で大きく変わります。開催通知時に、患者/利用者の基本情報・アセスメント要旨・議題・想定所要時間を共有し、参加者が事前に検討事項を整理できる状態にすることが基本です。ICTツールを併用する場合は、非同期で事前資料を共有し、会議時間を意思決定に集中させる設計が実効的です。議題は、報告事項・検討事項・決定事項に分類して整理する運用が実務上定着しています。

ファシリテーションと時間管理

ファシリテーションは、退院前カンファレンスでは退院支援看護師・MSW、サービス担当者会議ではケアマネジャーが担うことが一般的です。時間管理は、議題ごとの時間配分・発言の順序・意思決定の確認プロセスを明示することで実現します。オンライン会議の場合は、発言タイミングの調整・音声品質の確保・画面共有の運用が追加の論点となります。ファシリテーターの役割・進行様式を事業所間で共有しておくことで、会議品質の均質化が進みます。

記録と共有

会議記録は、開催日時・場所(オンライン開催の場合はその旨)・参加者・議題・専門的意見・決定事項・次回開催予定を定型項目として整備する運用が実務上定着しています。診療報酬・介護報酬の算定要件を意識する場合は、算定要件で求められる記録項目(参加者・共同指導の内容等)を漏れなく整備することが起点です。記録は、参加者・関係事業所に速やかに共有し、記録内容の相違を早期に修正できる運用を確保することが望まれます。

  • 事前準備:基本情報・アセスメント要旨・議題・想定所要時間の共有
  • 議題設計:報告事項・検討事項・決定事項の分類
  • ファシリテーション:退院前=退院支援看護師/MSW・サ担=ケアマネ
  • 記録項目:日時・場所・参加者・議題・専門的意見・決定事項・次回予定
  • 共有:参加者・関係事業所への速やかな共有・相違の早期修正

2024年度診療報酬・介護報酬改定と連携関連項目

2024年度は、診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬のトリプル改定が行われ、医療・介護連携に関する項目も見直しが進みました。厚生労働省「令和6年度診療報酬改定について」「令和6年度介護報酬改定について」の公開資料と、中央社会保険医療協議会(中医協)・社会保障審議会介護給付費分科会の資料が、改定内容の一次情報となります。カンファレンス運営の観点からは、入退院支援・退院時共同指導・情報通信機器を用いた実施の要件整理が特に関連の深い論点です。

医療・介護連携強化の方向性

2024年度改定では、医療機関と介護事業所の連携強化、退院時の情報共有の徹底、地域包括ケアシステムにおける多職種連携の推進が改めて位置づけられました。診療報酬側では入退院支援加算・退院時共同指導料・退院時リハビリテーション指導料などが、介護報酬側では退院退所加算・特定事業所加算・ターミナルケアマネジメント加算などが、連携関連項目として整理されています。具体的な算定要件・施設基準は、厚生労働省告示・通知・地方厚生局の疑義解釈で確認する運用が基本です。

情報通信機器を用いた実施の整理

情報通信機器を用いたカンファレンス・共同指導・サービス担当者会議への参加については、改定を経て要件が段階的に整理されてきました。実施時の記録項目・本人確認・同意確認・情報セキュリティ要件が明確化される方向性が示されており、地域全体でICT基盤を活用した連携運用が広がっています。運用時は、告示・通知・疑義解釈と、医療情報システム安全管理ガイドラインを併せて確認することが基本です。

改定情報のキャッチアップ

改定情報のキャッチアップは、厚生労働省の改定関連ページ、地方厚生局の疑義解釈、都道府県・保険者の運用通知、業界団体(日本医師会・日本看護協会・日本介護支援専門員協会・全日本病院協会等)の解説資料を組み合わせて行う運用が実務上の起点となります。改定は2年に1度(介護報酬は3年に1度)行われるため、改定サイクルに合わせた運用ルールの見直しを、施設・事業所として計画的に進めることが持続可能な連携運営の前提です。

  • 2024年度改定:診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬のトリプル改定
  • 連携強化:入退院支援・退院時共同指導・退院退所加算・特定事業所加算
  • ICT要件:情報通信機器を用いた実施の要件整理継続
  • 情報源:厚労省改定ページ・地方厚生局疑義解釈・業界団体解説

よくあるご質問(FAQ)

Q1. 退院前カンファレンスの開催時期はいつが目安ですか?
退院前カンファレンスは、退院日の1〜2週間前を目安に開催される運用が一般的です。退院支援計画に基づき、患者・家族の意向確認、在宅サービスの調整、医療処置の引き継ぎ、緊急時の連絡体制の確認などを議題として整理する構成となります。開催時期の具体的な設定は、疾患特性・在宅サービス調整の複雑度・家族介護力の状況により調整される運用で、入退院支援加算の施設基準・算定要件を意識した記録整備が実務上の起点です。
Q2. サービス担当者会議はどの場面で開催義務がありますか?
介護保険法に基づく指定居宅介護支援等の運営基準では、居宅サービス計画の原案の作成、要介護更新認定を受けた場合、要介護状態区分の変更の認定を受けた場合などにサービス担当者会議を開催することが位置づけられています。やむを得ない事情がある場合には、担当者への照会等により専門的意見を求めることで代替できる旨も規定されており、開催・照会の判断根拠を記録に残す運用が基本となります。詳細は厚生労働省・自治体の運用通知で確認する運用が起点です。
Q3. オンラインカンファレンスは対面と同等に扱えますか?
診療報酬・介護報酬では、退院時共同指導料・退院退所加算・サービス担当者会議等について、情報通信機器を用いた実施に関する要件が改定を経て整理されてきました。実施時は、参加者の本人確認、通信の暗号化、記録の保存、患者・家族の同意確認、医療情報システム安全管理ガイドラインへの準拠などが求められます。具体的な要件の細目は、告示・通知・疑義解釈で確認する運用が基本で、対面と同等に扱える範囲は項目ごとに個別に整理する必要があります。
Q4. 多職種連携ツール(MCS等)を導入する際の注意点は何ですか?
多職種連携ツールの導入では、情報セキュリティ要件(通信暗号化・アクセス制御・監査ログ)、個人情報保護法・医療介護関係事業者向けガイダンスへの準拠、共同利用の枠組みの整理、患者・家族への情報提供、参加者の運用ルール合意、事業所間の費用負担などが論点となります。地域の医師会・自治体・在宅医療介護連携支援センターが導入を主導している地域も多いため、地域の運用実態と整合させる形で導入設計を進めることが実務上の起点となります。
Q5. カンファレンスの記録はどれくらいの期間保存すべきですか?
記録の保存期間は、法令・運営基準に基づき整理されます。指定居宅介護支援の運営基準では、居宅サービス計画等の記録の完結の日から2年間の保存が示されており、自治体条例により延長される場合があります。医療機関側の入退院支援加算・退院時共同指導料に関連する記録は、診療録・診療報酬請求関連書類の保存期間(医療法・保険医療機関及び保険医療養担当規則等)に基づく運用となります。実務では、法定保存期間を上回る運用ルールを事業所として整理する例が多く見られます。

関連内部リンクと次のステップ

多職種連携カンファレンスの運営は、地域医療連携・在宅医療・介護保険運営・地域包括ケアの各論点と接続しています。関連する制度・運用のテーマについては、以下の関連ガイドも併せてご参照ください。

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出典・参考資料

  • 厚生労働省「地域包括ケアシステム」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/
  • 厚生労働省「在宅医療・介護連携推進事業について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000074685.html
  • 厚生労働省「令和6年度診療報酬改定について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00037.html
  • 厚生労働省「令和6年度介護報酬改定について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00038.html
  • 厚生労働省「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」 https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=82998000&dataType=0&pageNo=1
  • 厚生労働省「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000027272.html
  • 厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」 https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000516275.html
  • 厚生労働省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000201789_00007.html
  • 厚生労働省「医療DX」 https://www.mhlw.go.jp/stf/iryoudx_00001.html
  • 厚生労働省「訪問看護」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/houkan/index.html
  • 中央社会保険医療協議会(中医協)総会資料 https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-chuo_128154.html
  • 社会保障審議会介護給付費分科会資料 https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho_126706.html
  • e-Gov法令検索「介護保険法」 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=409AC0000000123
  • 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」 https://www.ppc.go.jp/personalinfo/legal/guidelines_tsusoku/

本記事は公開情報の整理を目的としており、個別のカンファレンス運営・診療報酬算定・介護報酬算定の判断を行うものではありません。具体的な運用は、所管の地方厚生局・自治体・在宅医療介護連携支援センター・顧問の医療コンサルタントにご相談ください。

最終更新日:2026年7月6日|編集方針

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