医療向けシフト・勤怠ツール費用相場2026【病院/クリニック/介護施設別・5年TCO】

医療機関のシフト管理・勤怠ツールの費用は、ユーザー単価(人数課金)・拠点課金・機能課金の組合せで、同じ規模でも数倍の差が出ます。本記事では、病院・有床診療所・無床クリニック・介護施設の事務長・労務担当者向けに、規模別・業態別の費用相場と5年TCOを、各サービス事業者の公式公開情報をもとに整理します。

この記事で分かること

  • 医療機関向けシフト・勤怠ツールの費用構成
  • 業態別(病院/クリニック/介護/訪看)の費用相場
  • 主要サービスの料金プラン比較
  • 2024年4月施行の医師の働き方改革による追加対応費
  • 導入時の隠れコストと回避策

1. シフト・勤怠ツールの費用構成5項目

  1. 初期費用:設定費・職員マスター登録・シフトルール設定(0〜30万円)
  2. 月額利用料(ユーザー単価):1ユーザーあたり月200〜500円が標準レンジ
  3. 機能オプション:給与計算連携、医師の働き方改革対応、自動シフト作成AI など
  4. サポート費:標準サポートは月額に含まれる、休日夜間サポートはオプション
  5. 機器費(打刻端末):ICカード・指紋認証・タブレット端末は別途

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2. 規模別・業態別の費用相場

業態従業員規模初期費用月額5年TCO
個人歯科・小規模クリニック1〜5人0〜5万円2,000〜5,000円15〜35万円
無床診療所(一般)5〜20人0〜10万円3,000〜10,000円20〜70万円
有床診療所(19床)20〜50人5〜15万円10,000〜25,000円70〜170万円
中小病院(50〜100床)50〜200人15〜50万円30,000〜100,000円200〜650万円
中規模病院(100〜300床)200〜500人50〜200万円100,000〜300,000円650〜2,000万円
介護老人保健施設(50〜100床)50〜100人10〜30万円20,000〜50,000円130〜330万円
訪問看護ステーション5〜20人0〜10万円3,000〜10,000円20〜70万円

料金は2026年5月時点の公式公開情報の参考レンジです。プラン構成・オプション機能・契約期間で大きく変動するため、必ず各社公式サイトで最新の見積をご確認ください。

3. 主要サービスの料金プラン比較

サービス提供元料金体系医療機関対応の特徴
ジョブカン勤怠管理DONUTS200〜500円/人・月シフト・夜勤・当直対応。機能別プラン
KING OF TIMEヒューマンテクノロジーズ300円/人・月打刻方法多数。医療機関導入実績多数
勤務シフト作成お助けマンシフト・コミュ個別見積(病院向け)看護師シフト自動作成に特化
シフォプラヴァル研究所個別見積三交代・複雑シフト対応
カイポケ勤怠エス・エム・エス介護SaaS含む月額介護・訪問看護向けオールインワン
マネーフォワードクラウド勤怠マネーフォワード500円/人・月+基本料給与計算・経費精算と一気通貫
freee人事労務(勤怠含む)freee500円/人・月+基本料労務・給与一気通貫
SmartHR(勤怠機能)SmartHR個別見積労務手続き〜勤怠統合

4. 医師の働き方改革対応の追加コスト

2024年4月施行の医師の働き方改革では、A水準(年960時間以内)・B水準・C水準の4区分での労務管理が必要になりました。シフト・勤怠ツールでは次の機能要件が追加コストになるケースがあります。

  • 労働時間と自己研鑽時間の区分入力(追加5,000〜20,000円/月)
  • 宿日直時間の労働時間外カウント(追加機能オプション)
  • 月次・年次の時間外労働サマリー出力(標準対応の場合と別費の場合がある)
  • 産業医・労務監査向けレポート(個別見積)

5. 業態別の選び方

無床クリニック

シフトパターンが固定で職員数が少ないため、ジョブカン勤怠やマネーフォワードクラウド勤怠など汎用クラウドで十分対応可能。月額1万円以下でフル機能利用できるケースが多数。

有床診療所〜中小病院

夜勤・当直のシフトパターンが複雑になるため、KING OF TIMEやジョブカン勤怠の医療機関対応プランが現実解。シフト自動作成までは求めず、手動作成+勤怠管理の組合せが多い。

中規模病院(100床以上)

看護師の三交代シフト自動作成のため、シフォプラ・勤務シフト作成お助けマンなどの専用ツールを併用するケースが多い。シフト自動作成ツールと勤怠管理ツールを別契約する構成。

介護施設・訪問看護

カイポケ勤怠(介護SaaSの一部)を使うケースが多い。介護記録・請求・勤怠を一気通貫で運用できるため、介護業態では総合費用が抑えられる。

6. 隠れコスト7項目

  1. 打刻端末費(ICカード・指紋認証・タブレット):1拠点5〜30万円
  2. 給与計算ソフトとの連携カスタマイズ費:個別見積
  3. シフトテンプレートの初期設定支援:3〜10万円
  4. 大規模拠点(複数施設)の追加拠点費:拠点ごとに月額追加
  5. 退職・採用での職員マスター更新作業:自社で運用
  6. 就業規則改定時のシフトルール再設定:5〜20万円
  7. 監査対応レポート出力(労基署・医療監査向け):個別見積

7. 失敗事例と回避策

事例1:ユーザー単価のみで選び、機能不足発覚

200円/人の最安プランを選んだが、夜勤手当・宿日直対応が無く、結局月額300円/人プランへ変更。回避策はシフトパターン・手当計算要件を整理してからプラン選定することです。

事例2:給与計算と連携できず転記ミス頻発

勤怠データを毎月Excelで給与計算ソフトに手入力。転記ミス発覚で給与過払い・不足が複数件。回避策は勤怠と給与を同一ベンダーまたはAPI連携実績ありの組合せで選ぶことです。

事例3:医師の働き方改革対応機能が後から追加課金

2024年4月以降、A水準対応の労働時間区分入力機能が追加課金(月+15,000円)に。回避策は導入時点で2024年4月以降の労務管理要件を含めて見積することです。

事例4:打刻端末の老朽化で交換費が想定外

ICカード打刻端末が5年で故障し交換費20万円。回避策は端末代を5年TCOに織り込み、交換費引当金を予算化することです。

事例5:シフト自動作成ツール導入したが運用に乗らない

看護師シフト自動作成ツールを導入したが、現場の希望調整・経験年数バランスを考慮した手動修正が結局必要で、自動作成のメリットが薄かった。回避策はシフト自動作成は中規模以上の病院・複雑シフトで効果が大きく、小〜中規模では手動作成+勤怠管理の組合せでも十分なケースが多いと理解することです。

8. よくある質問(FAQ)

Q1. 月額料金が安いサービスを選んで本当に大丈夫ですか?

シフトパターンが単純(日勤のみ・固定時刻)なクリニックなら最安プランで十分です。夜勤・当直・宿日直・三交代など複雑なシフトを持つ施設では、機能オプション付きのプランを選ぶ必要があります。

Q2. 給与計算ソフトと別ベンダーで使えますか?

CSV連携で対応できますが、毎月の手作業が発生します。同一ベンダー(マネーフォワード・freee・ジョブカン)で揃えるか、API連携実績のあるベンダー組合せを選ぶことを推奨します。

Q3. 紙のタイムカードからクラウド勤怠に移行する効果は?

毎月の集計工数が30〜70%削減された事例が公開されています。50人規模で月8〜20時間の事務工数削減なら、月額1万円程度のコストでも十分回収できます。

Q4. 中規模病院で看護師シフト自動作成ツールは費用対効果がありますか?

200床以上で、看護師100人以上のシフト作成に毎月20〜40時間かかっている施設では、自動作成ツールの導入で50%程度の工数削減が見込めるケースがあります。300床以下では費用対効果が施設運用に依存するため、無料デモで自施設のシフトパターンで試算することを推奨します。

Q5. 介護施設で使うならカイポケと汎用クラウドのどちらが良いですか?

介護記録・請求・勤怠を一気通貫で運用したいならカイポケ。すでに介護記録は別ベンダーで運用していて勤怠だけ最適化したいなら汎用クラウド(ジョブカン・マネーフォワードなど)が現実解です。

Q6. 訪問看護ステーションで便利な機能は?

スマートフォンアプリでの直行直帰打刻、訪問件数連動の勤怠記録、オンコール待機時間の集計が便利です。カイポケ・ジョブカン・KING OF TIMEなどが対応しています。

Q7. 打刻端末はICカードと指紋認証どちらが良いですか?

ICカードは故障率が低く運用が安定しますが、なりすましリスクがあります。指紋認証は本人確認が確実ですが、医療機関では手指消毒で読取エラーが多発するケースがあります。多くの施設ではICカード+スマホ打刻の併用を選んでいます。

Q8. シフト管理ツールの解約・乗り換え時の費用は?

クラウド型は月額契約が多く、最低契約期間(1年程度)を超えていれば解約金は発生しないことが一般的です。ただし、過去シフトデータの引き出し・新ツール側への移行作業に5〜30万円程度の作業費がかかるケースがあります。

Q9. IT導入補助金は対象ですか?

勤怠管理SaaSはIT導入補助金の対象ITツールに含まれます。通常枠で補助率1/2、上限450万円。導入支援事業者が対応している場合に申請可能です。詳細は中小企業庁・IT導入補助金事務局の公式情報を確認してください。

Q10. 労働基準監督署の調査時にデータは出力できますか?

主要クラウド勤怠は月次・年次の労働時間サマリー、残業集計、有給取得状況を標準で出力できます。労基署対応では PDF・Excel エクスポート機能を確認してください。

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10. 出典・参考情報

  • 厚生労働省「医師の働き方改革」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000189195.html
  • 厚生労働省「働き方改革推進支援助成金」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/jikan/syokubaisikienryoku/index.html
  • 厚生労働省「労働時間の状況の把握に関するガイドライン」 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000201232.pdf
  • 中小企業庁「IT導入補助金」 https://www.it-hojo.jp/
  • 各社公式サイト:ジョブカン https://jobcan.ne.jp/ / KING OF TIME https://www.kingoftime.jp/ / シフォプラ https://www.shifopla.jp/ / 勤務シフト作成お助けマン https://www.shift-comu.jp/

11. 免責事項

本記事は2026年5月時点で公開されている厚生労働省・中小企業庁・各サービス事業者の公開情報を編集部が整理したものです。料金・機能は契約時点で必ず最新の公式情報を確認してください。本記事の情報を根拠とする行為で生じた損害について、当サイトは責任を負いかねます。

編集方針 | 最終更新日: 2026-05-02

mitoru編集部の見解

mitoru編集部は、本記事を厚生労働省・経済産業省・国税庁・e-Statなど公的一次情報のみをもとに編集しています。個別の判断は税理士・弁護士・社会保険労務士など適切な専門家にご相談ください。

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