「ケアマネ取得後のキャリアアップとして主任ケアマネを目指したい」「年収を上げたい」── ケアマネージャーが5年実務経験後に挑戦できる上位資格が 主任介護支援専門員(主任ケアマネ)。本記事は、主任ケアマネの取得要件・研修内容・取得後のキャリア・年収アップ戦略を、実用ベースで整理しました。
この記事の答え(要点3行)
- 主任ケアマネは ケアマネ実務5年以上+70時間研修 で取得できる上位資格
- 取得後は地域包括支援センター・特定事業所加算事業所での需要が高く、年収50〜100万円アップ
- 5年ごとの更新研修(46時間)が必要・継続学習が前提
1. 30秒診断:主任ケアマネに向くか
- ケアマネ実務経験 5年以上 ある
- 後輩ケアマネの指導・育成に関心がある
- 地域包括支援センターでの勤務に興味がある
- 困難事例・多職種連携の経験を体系化したい
- 長期キャリアで管理職・教育職を目指したい
| 該当数 | 判定 |
|---|---|
| 4〜5つ | 主任ケアマネ取得を強く推奨 |
| 2〜3つ | 5年実務経験を満たしてから検討 |
| 0〜1つ | 現場ケアマネとしての専門性深化を優先 |
2. 主任ケアマネの役割と位置付け

主任介護支援専門員(主任ケアマネ)は、ケアマネのリーダー・指導者ポジション。厚生労働省「介護・高齢者福祉」に基づく都道府県登録制度です。
主な役割
- 後輩ケアマネの指導・スーパービジョン:困難事例の助言・実地指導
- 地域包括支援センターの中核業務:要支援者ケアプラン・地域ケア会議
- 困難事例への対応:医療連携・虐待・権利擁護
- 地域ネットワーク構築:医療機関・行政・地域資源との連携
- 事業所運営の中心:特定事業所加算(II以上)の必須要件
主任ケアマネが必須となる場面
- 地域包括支援センターの常勤配置(保健師・社会福祉士と並ぶ三職種)
- 特定事業所加算(II・III)取得事業所での配置
- 居宅介護支援事業所の管理者要件(一部自治体)
3. 取得要件の詳細
受講要件(いずれかを満たす)
- 専任ケアマネとしての実務経験5年以上(年間180日以上)
- または、ケアマネ業務+ケアマネ業務に類する従事期間で5年以上+専門研修Ⅱ修了
- または、その他の都道府県が認める要件
主任ケアマネ研修の内容(70時間)
| 科目 | 時間 |
|---|---|
| 主任介護支援専門員の役割と視点 | 5時間 |
| ケアマネジメントの実践 | 15時間 |
| 対人援助者監督指導 | 20時間 |
| 個別事例による指導 | 15時間 |
| 地域援助技術 | 15時間 |
受講料・期間
- 受講料:3万〜6万円(都道府県により異なる)
- 期間:3〜6ヶ月(週1〜2回の通学+演習)
- 修了試験:実施なし(演習・課題提出が中心)
- 受講地:都道府県が指定する研修機関
4. 主任ケアマネ取得後のキャリアパス

パターン1:地域包括支援センターへ転職
主任ケアマネが必須配置されるポジション。要支援者ケアプラン・総合相談・権利擁護・困難事例対応。年収500万〜600万円。
パターン2:特定事業所加算取得事業所の中核へ
特定事業所加算(II・III)取得事業所では主任ケアマネ配置が必須。中堅事業所への転職で年収50〜80万円アップ。
パターン3:居宅介護支援事業所の管理者
主任ケアマネが管理者要件の事業所も。所長として複数のケアマネを統括。年収550万〜700万円。
パターン4:教育・研修講師
新人ケアマネ実務研修・主任研修・自治体主催研修の講師。実務+講師業の組合せで年収550万〜700万円。
パターン5:独立型居宅介護支援事業所開業
主任ケアマネとしての実績を活かして独立開業。複数のケアマネを雇用する規模で運営。年収700万〜1,000万円超。

5. 取得後の年収アップ詳細
| 勤務先 | 主任取得前 | 主任取得後 | 差額 |
|---|---|---|---|
| 居宅介護支援事業所 | 420万〜500万円 | 500万〜580万円 | +60〜80万円 |
| 地域包括支援センター | 450万〜520万円 | 520万〜620万円 | +70〜100万円 |
| 特定事業所加算事業所 | 450万〜520万円 | 530万〜650万円 | +80〜130万円 |
| 居宅事業所管理者 | 500万〜580万円 | 600万〜750万円 | +100〜170万円 |
| 独立開業事業所オーナー | 500万〜700万円 | 700万〜1,000万円 | +200〜300万円 |
6. 主任ケアマネに必要なスキル
- スーパービジョン能力:後輩ケアマネへの指導技法
- 困難事例への対応力:医療・行政・家族関係の複合課題
- 地域マネジメント:地域ケア会議のファシリテーション
- 権利擁護の知識:成年後見制度・虐待対応
- 多職種連携の調整力:医師・看護師・行政との関係構築
- 研修・教育のスキル:プレゼンテーション・ロールプレイ指導
7. 求人サービスの選び方
| あなたの状況 | 選定の優先軸 |
|---|---|
| 地域包括支援センター希望 | 地域包括センター求人の取扱量・自治体委託先情報 |
| 特定事業所加算事業所希望 | 加算II・III取得事業所求人 |
| 管理者・所長候補 | 事業所管理者求人・複数事業所運営法人 |
| 独立開業準備 | 事業承継案件・FCオーナー募集情報 |
具体的なケアマネ・介護士向け求人サービスはケアマネージャー転職・試験対策ガイドと介護士転職サイト比較ランキングで詳述しています。
8. 主任ケアマネの1日のスケジュール例
地域包括支援センター主任ケアマネの1日
| 時間 | 業務 |
|---|---|
| 9:00 | 出勤・朝礼・前日記録の確認 |
| 9:30〜11:00 | 要支援者ケアプラン作成・更新 |
| 11:00〜12:00 | 地域住民・家族からの相談対応 |
| 12:00〜13:00 | 休憩 |
| 13:00〜15:00 | 困難事例カンファレンス・他職種連携 |
| 15:00〜16:30 | 後輩ケアマネのスーパービジョン |
| 16:30〜18:00 | 地域ケア会議準備・記録・翌日準備 |
9. 5年ごとの更新研修
主任ケアマネは 5年ごとに更新研修(46時間) 受講が必要。継続学習が前提の資格です。
更新研修の内容
- 主任介護支援専門員としての実践を振り返る
- 制度改正・最新動向のキャッチアップ
- 事例検討・スーパービジョン演習
- 地域包括ケアシステムの最新展開
更新研修費用
- 受講料:2万〜4万円
- 期間:3〜4ヶ月
- 受講できないと主任ケアマネの登録抹消
10. 取得を支援する事業所の特徴
主任ケアマネ研修の受講・更新は、所属事業所のサポートが取得スピードを左右します。
支援制度のある事業所の特徴
- 研修費補助:受講料を全額または半額補助
- 勤務調整:通学日のシフト調整・有給代替
- 取得後の手当・昇給:取得即時の給与改定
- キャリアパス制度:管理者・地域包括への昇進ルート整備
支援制度のある事業所探しは、ケアマネ専門求人サービスに「主任ケアマネ取得支援あり」を条件として相談すれば該当事業所を絞り込めます。
11. 主任ケアマネの法改正動向
2018年に主任ケアマネ研修の修了が居宅介護支援事業所の管理者要件に追加されました(経過措置あり)。今後も主任ケアマネの位置付けは強化される傾向にあります。
- 2018年:管理者要件に主任ケアマネ追加(経過措置)
- 2021年〜:経過措置の段階的縮小
- 2024年介護報酬改定:特定事業所加算の主任ケアマネ要件強化
制度改正の方向性は 「主任ケアマネを増やすことで在宅介護の質を担保」。取得は中長期的なキャリア安定に直結します。
12. 主任ケアマネ取得後の独立開業
主任ケアマネとして3〜5年の実績を経て独立開業するパターンも標準的。詳細はケアマネ転職・試験対策ガイドもご参照ください。
独立開業の優位性
- 主任ケアマネ=管理者要件を1人で満たす
- 特定事業所加算(II・III)の取得が可能
- 後輩ケアマネを雇用・育成しながら事業拡大
- 地域包括センターからの紹介ネットワーク活用
13. 主任ケアマネが活躍できる地域包括ケアの最新動向
2025年問題(団塊世代の後期高齢者化)以降、地域包括ケアシステムの中核として主任ケアマネの重要性が増しています。最新の制度動向と現場で求められる役割を整理します。
地域包括ケアシステムの5要素と主任ケアマネの関与
- 住まい:サ高住・有料老人ホームの選定支援
- 医療:在宅医・訪問看護との連携調整
- 介護:ケアプラン作成・各サービスの調整
- 予防:要支援者ケアプラン・介護予防教室
- 生活支援:地域資源(NPO・ボランティア)の活用
主任ケアマネが扱う困難事例の典型
- 独居高齢者の認知症進行:成年後見制度との連携
- 家族介護者の燃え尽き:レスパイトサービス調整
- 医療依存度の高い在宅ケア:訪問看護・主治医との密連携
- 高齢者虐待の早期発見:権利擁護・行政連携
- 多問題家族への支援:多職種チームでの包括対応
これらの困難事例への対応力こそ、主任ケアマネの真価が発揮される領域。経験を体系化することで、後輩ケアマネへのスーパービジョン・地域全体のケア品質向上に貢献できます。
14. よくある質問(FAQ 12問)
Q1. 実務経験5年は連続してないとダメ?
連続でなくても合算で5年(年180日以上)あれば受講可能。途中の休業期間は除外して計算。
Q2. 主任ケアマネ研修の予約は取りやすい?
都道府県によっては年1〜2回の開催で抽選になる場合あり。早めの申込推奨。
Q3. 70時間の研修は働きながら可能?
3〜6ヶ月の期間で平日・週末を組合せて受講するパターンが標準。所属事業所の理解が必要。
Q4. 主任ケアマネと社会福祉士の違いは?
主任ケアマネは介護保険制度内のケアマネリーダー資格。社会福祉士は福祉制度全般の相談援助・国家資格。両資格保有も多い。
Q5. 取得後すぐに地域包括センターに転職できる?
取得後の転職は十分可能。地域包括センターは主任ケアマネ・保健師・社会福祉士の三職種配置のため需要あり。
Q6. 更新研修を受けないとどうなる?
主任ケアマネとしての登録が抹消され、通常のケアマネに戻る。再取得には再度70時間研修受講が必要。
Q7. 受講料は事業所が負担してくれる?
大手法人・特定事業所加算取得事業所では補助制度がある場合多い。中小事業所は自己負担が中心。
Q8. ケアマネ取得後何年で主任研修を受けるべき?
5年実務経験を満たした直後の受講が標準。早めに取得して活用期間を長く取る戦略が有利。
Q9. 主任ケアマネで給料は確実に上がる?
事業所により異なる。取得即時の手当を確約する事業所もあれば、ポジション昇進後に反映する事業所も。事前確認推奨。
Q10. 主任ケアマネの男女比は?
女性比率約75%(ケアマネ全体と同程度)。地域包括センターでは男性主任ケアマネが重宝される傾向。
Q11. 60代でも主任ケアマネとして活躍できる?
活躍できる。長年の現場経験+スーパービジョン能力で重宝される。週3〜4日勤務も選択肢。
Q12. 主任ケアマネからケアマネ協会の役員等へのパスは?
地域のケアマネ協会・職能団体での活動を経て役員・理事に就任するパターンあり。地域貢献+研修講師業との両輪で展開。
15. 次に取るべき1ステップ
- 実務経験の確認:ケアマネ専任実務5年以上を満たすか
- 研修開催情報の確認:所属都道府県の研修スケジュール
- 所属事業所の支援制度確認:受講料補助・勤務調整
- 支援なしの場合は転職検討:「主任ケアマネ取得支援あり」を条件にケアマネ求人サービスに相談
- 取得後のキャリアプラン作成:地域包括 / 特定事業所 / 管理者 / 開業の選択肢整理
ケアマネ専門の求人サービスはケアマネ転職・試験対策ガイドを参照。
16. まとめ
主任ケアマネは、ケアマネ実務5年以上のキャリア中堅以降の重要なステップアップ資格。70時間の研修+5年ごとの更新が必要ですが、年収50〜100万円アップ・地域包括センター等への展開機会拡大という実利的なメリットが大きい資格です。
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編集方針 | 最終更新日: 2026-05-01 | 出典は本文中リンク参照
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