レセコン比較ランキング【2026年版・一体型/単独型/クラウド/オンプレ】

レセコン(レセプトコンピュータ)は、診療報酬の請求業務を電子化・効率化する医療機関に不可欠なシステムです。2026年現在、オンライン資格確認の義務化電子処方箋の本格普及医療DX推進の流れを受け、既存レセコンの見直しや新規導入を検討する医療機関が増加しています。本記事では、主要10製品を提供形態(一体型/単独型/クラウド/オンプレ)対応規模電子カルテ連携公開料金の観点で完全比較します。各製品の情報は公式サイト公開情報を編集部が中立に整理したものです(取得日:2026-04-25)。最終選定は必ず公式サイト・資料請求にてご確認ください。

この記事で分かること(要約)

  • 主要10製品の提供形態・対象規模・電子カルテ連携・公開料金の中立比較
  • 一体型 vs 単独型、クラウド vs オンプレの選び分け基準
  • 業種別(内科・歯科・眼科・皮膚科・整形・訪問看護 等)の最適解マトリクス
  • 規模別(個人開業〜中規模病院)5段階ガイド
  • 5段階の導入フロー・5年/10年TCO試算
  • IT導入補助金2026の活用ポイント
  • 失敗事例5件・ベンダーへの質問リスト15項目・FAQ15問

関連記事:電子カルテ比較おすすめ14選【2026年版】IT導入補助金2026 電子カルテは対象になるか電子カルテの費用相場【規模別まとめ】

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1. レセコン業界の現状(2026年版)

レセコンは診療報酬明細書(レセプト)を電子的に作成・審査機関に提出するためのシステムです。支払基金・国保連合会へのオンライン請求は2011年度から原則義務化されており、現在はほぼすべての医療機関でレセコンが稼働しています(一部例外:電子化免除申請を行った小規模機関)。

2026年現在、レセコン市場を取り巻く主要な変化として以下が挙げられます。

  • オンライン資格確認の義務化(2023年4月〜):マイナンバーカードを用いた保険資格確認がほぼすべての保険医療機関に義務付けられ、レセコンとの連携が必須要件となった。
  • 電子処方箋の本格普及:厚生労働省が推進する電子処方箋システムへの対応が進んでおり、薬局との情報連携でレセコンの役割が拡大。
  • 診療報酬改定への即時対応:2年ごとの診療報酬改定への迅速なマスタ更新対応が、製品選定の重要指標になっている。
  • クラウド型レセコンの台頭:従来オンプレ中心だったレセコン市場にクラウド型製品が参入し、初期費用・保守コストの低減が可能に。
  • 電子カルテとの一体化加速:電子カルテ・レセコン・オンライン予約・患者管理をワンストップで提供する一体型製品の採用が拡大。

これらの変化を踏まえ、レセコンの選定では「現行製品が制度変更に迅速対応できるか」「電子カルテとシームレスに連携できるか」「乗り換え時のデータ移行コストはどうか」が重要な評価軸となっています。

2. レセコン選定の10基準

  1. 提供形態:クラウド型/オンプレミス型/一体型(電子カルテ込み)/単独型
  2. 対応規模:個人開業診療所/中小クリニック/有床診療所/病院
  3. 対応業種・科目:内科・外科・歯科・眼科・整形・皮膚科・訪問看護 等
  4. 電子カルテ連携:主要カルテとのAPI連携実績・一体型の場合の統合度
  5. 制度対応速度:診療報酬改定・オンライン資格確認・電子処方箋対応実績
  6. セキュリティ:医療情報安全管理ガイドライン・3省2ガイドライン準拠
  7. 料金透明性:公式公開/要問合せ/月額定額/従量課金
  8. 移行性:レセプトデータ・マスタのエクスポート形式・移行支援の有無
  9. サポート体制:改定対応・障害時・電話/リモート対応時間帯
  10. 拡張性:オンライン予約・患者管理・会計連携・電子処方箋との将来統合

3. 主要10製品 比較一覧

※下表は公式サイト・公式資料の公開情報を編集部が整理(取得日:2026-04-25)。料金は要問合せの製品が多く、構成・規模で大幅に変動します。必ず複数社から相見積を取得してください。

3-1. 基本情報・提供形態

製品名提供形態主な対象規模提供元
ORCA(日医標準レセプトソフト)オンプレ(OSS)無床診療所〜中規模日本医師会ORCA管理機構
Medicom(メディコム)オンプレ/ハイブリッド無床〜有床PHC株式会社
Medi-Mate(メディメイト)クラウド無床診療所〜中規模クリニックメディ・ウェブ株式会社
Hi-SEED W10(ハイシード)オンプレ中小クリニック〜中規模病院株式会社インテック
Doctor Softオンプレ/クラウド無床〜有床診療所株式会社ドクターソフト
WAY-NSオンプレ中規模クリニック〜病院三栄メディシス株式会社
DIANA(ダイアナ)オンプレ無床〜中規模クリニック各地域販売店(OEM展開)
レセプト博士クラウド無床診療所・小規模クリニックグローリー株式会社(関連)
メディコム iEシリーズクラウド無床診療所PHC株式会社
DrCloud(ドクタークラウド)クラウド無床診療所・在宅医療メドピア株式会社
各製品の提供形態は代表的な構成。ハイブリッド展開や追加モジュールにより変動することがあります。

3-2. 電子カルテ連携・制度対応

製品名電子カルテ連携オンライン資格確認電子処方箋ガイドライン準拠
ORCA多数の電子カルテと連携実績(API公開)対応対応準拠
Medicom一体型あり / 他社カルテとの連携も可対応対応準拠
Medi-Mate主要クラウドカルテと連携可対応対応準拠
Hi-SEED W10HIS統合・他社連携対応対応対応準拠
Doctor Soft主要カルテとの連携実績あり対応対応準拠
WAY-NS病院HIS連携対応対応対応準拠
DIANA一体型構成あり / 連携対応対応対応準拠
レセプト博士クラウドカルテとの連携対応対応対応(確認推奨)準拠
メディコム iEPHC系カルテと一体 / 他社連携可対応対応準拠
DrCloudクラウドカルテとのAPI連携対応対応準拠
制度対応状況は2026-04-25時点の公式公開情報を整理。導入時は必ず最新の対応状況を公式に確認してください。

3-3. 料金体系(公開状況)

製品名料金開示初期費用目安月額目安備考
ORCA一部公開(OSSのため要サポート費)サポート契約費用保守・サポート費(数千〜数万円)OSS本体は無償・導入支援は別途
Medicom要問合せオンプレ水準保守費用規模・構成で変動大
Medi-Mate要問合せクラウド水準(低め)クラウド水準無床診療所向け
Hi-SEED W10要問合せ中〜大規模水準保守費用病院規模は別途
Doctor Soft要問合せオンプレ水準保守費用クラウド版は別
WAY-NS要問合せ病院水準保守費用病院・中規模向け
DIANA要問合せ(販売店依存)販売店見積保守費用地域・販売店で差異あり
レセプト博士要問合せクラウド水準クラウド水準小規模向け
メディコム iE要問合せクラウド水準クラウド水準無床診療所向け
DrCloud要問合せクラウド水準(低め)クラウド水準在宅医療に強み
料金は導入規模・構成・地域・販売店により大幅に変動します。必ず複数社から相見積を取得し比較してください。
天秤の比較

4. 製品個別解説(10製品)

4-1. ORCA(日医標準レセプトソフト)

提供形態:オープンソース(OSS)・オンプレミス|主な対象:無床診療所〜中規模クリニック|提供元:日本医師会ORCA管理機構

日本医師会が開発・提供するオープンソースのレセプトソフト。本体は無償で配布されており、Linux上で動作します。導入・保守は全国の認定サポート事業者が担当し、初期費用は導入支援・サポート契約費用のみで抑えられる点が最大の特徴です。国内最多クラスの電子カルテとのAPI連携実績(「日レセ連携」)を持ち、電子カルテ選定の自由度が高い独立型レセコンとして幅広く採用されています。

オンライン資格確認・電子処方箋にも対応。診療報酬改定への対応は管理機構が定期的にリリース。サポートは認定事業者経由となるため、地域によってサービス品質に差が生じることがあります。ITリテラシーのある運営体制であれば低コスト運用が可能な反面、非エンジニア環境では運用負荷がかかることもあります。

強み:本体無償・広範な電子カルテ連携・OSS透明性・支払基金への直接請求実績。留意点:導入・保守は認定サポート事業者への依存があり、サポート費用・品質が事業者により異なります。

4-2. Medicom(メディコム)

提供形態:オンプレミス/ハイブリッド|主な対象:無床〜有床診療所・中規模クリニック|提供元:PHC株式会社

PHC株式会社(旧パナソニック ヘルスケア)が提供する国内大手レセコン製品ライン。電子カルテとの一体型構成(メディコム電子カルテ一体型)のほか、他社電子カルテとの連携にも対応しています。長年の実績とメーカー直営サポートの充実が特徴で、有床診療所・中規模クリニックでの採用が多い製品です。

診療報酬改定への定期的なアップデート対応、オンライン資格確認・電子処方箋対応済み。全国のサポート体制が整備されており、障害発生時の対応速度に定評があります。オンプレミス型のため、初期費用と5〜7年ごとのサーバー更新コストを TCO に組み込んだ検討が必要です。

強み:長期実績・有床対応・メーカー直営サポート・電子カルテ一体型の選択肢。留意点:オンプレ型の初期投資と定期更新コストを事前試算してください。

4-3. Medi-Mate(メディメイト)

提供形態:クラウド型|主な対象:無床診療所〜中規模クリニック|提供元:メディ・ウェブ株式会社

クラウド型レセコンとして、無床診療所や中規模クリニック向けに展開されています。クラウド型のためハードウェア管理が不要で、サーバー更新サイクルのコストが発生しません。主要クラウド系電子カルテとの連携対応実績があり、クラウド完結の業務システム構築を志向する医療機関に向いています。

診療報酬改定対応はクラウドアップデートで自動適用されるため、ダウンタイムを最小化できます。オンライン資格確認・電子処方箋にも対応。料金体系は要問合せのため、複数社との相見積が推奨されます。

強み:クラウド型による保守負荷軽減・自動アップデート・電子カルテ連携の柔軟性。留意点:インターネット依存型のため、通信障害時の業務継続計画(BCP)を事前に確認してください。

4-4. Hi-SEED W10(ハイシード)

提供形態:オンプレミス|主な対象:中小クリニック〜中規模病院|提供元:株式会社インテック

インテック(TIS子会社)が提供するレセプトシステム。中小クリニックから中規模病院まで対応し、HIS(病院情報システム)との統合を前提とした設計が特徴です。複数科・多部門が存在する規模の医療機関での導入実績があります。オンライン資格確認・電子処方箋対応。診療報酬改定への定期的なアップデートを提供しています。

強み:中規模病院対応・HIS統合・複数科対応。留意点:個人開業・小規模診療所には機能オーバースペックの可能性があります。

4-5. Doctor Soft(ドクターソフト)

提供形態:オンプレミス/クラウド(選択可)|主な対象:無床〜有床診療所|提供元:株式会社ドクターソフト

オンプレ型とクラウド型の両方を選択できる製品展開が特徴。既存のオンプレ運用からクラウド移行を検討する際の選択肢として評価されています。無床から有床診療所まで対応する幅広い機能セットを持ちます。電子カルテ連携は主要製品との実績あり。診療報酬改定への対応実績を公式に明示しています。

強み:オンプレ・クラウド両選択肢・有床対応・移行サポート。留意点:クラウド版とオンプレ版で機能差がある場合があるため、必要機能の充足を導入前に確認してください。

4-6. WAY-NS(三栄メディシス)

提供形態:オンプレミス|主な対象:中規模クリニック〜病院|提供元:三栄メディシス株式会社

中規模クリニック・病院向けのレセプトシステム。複数診療科・多部門での利用を想定した設計で、病院情報システムとの連携を重視した製品です。地域の基幹病院や中規模以上の医療機関での導入実績があります。診療報酬改定への対応、オンライン資格確認、電子処方箋対応済み。

強み:病院・中規模医療機関対応・複数診療科管理・HIS連携。留意点:小規模診療所向けには過剰な機能があることがあり、規模に合った製品選定を推奨します。

4-7. DIANA(ダイアナ)

提供形態:オンプレミス(OEM展開)|主な対象:無床〜中規模クリニック|提供元:各地域販売店(OEM製品)

「レセプトコンピュータDIANA」はOEM形式で各地域販売店が提供するレセコン製品群。地域密着のサポートが特徴で、長年にわたる導入実績があります。一体型構成(電子カルテ込み)とレセコン単独での導入が選べる場合があります。診療報酬改定対応は販売店経由で提供されるため、販売店の対応能力・スピードを事前確認することが重要です。

強み:地域密着サポート・長期導入実績・一体型選択肢。留意点:販売店により料金・サポート品質・改定対応スピードが異なります。複数の販売店から見積を取ることを推奨します。

4-8. レセプト博士

提供形態:クラウド型|主な対象:無床診療所・小規模クリニック|提供元:グローリー株式会社グループ関連

クラウド型レセコンとして小規模診療所向けに設計されています。クラウドベースのためハードウェア管理が不要で、診療報酬改定への対応もアップデートで対応。オンライン資格確認対応済み。クラウドカルテとのAPI連携にも対応しています。初期費用を抑えてレセコンを導入したい小規模医療機関に向いています。

強み:クラウド型による低初期費用・自動改定対応・小規模最適化。留意点:規模拡大時や特殊診療科での機能充足を事前に確認してください。

4-9. メディコム iEシリーズ

提供形態:クラウド型|主な対象:無床診療所|提供元:PHC株式会社

PHCのクラウド型製品ラインとして、無床診療所向けに展開されるシリーズ。PHC系の電子カルテとの一体利用が可能なほか、他社電子カルテとの連携にも対応します。クラウド型のため初期費用を抑えられ、診療報酬改定はクラウドアップデートで対応されます。Medicom(オンプレ)との使い分けができる点がPHCグループの特徴です。

強み:PHC系カルテとの一体性・クラウドの初期費用メリット・無床診療所最適化。留意点:有床診療所・病院向けにはオンプレ型Medicomの検討が適切です。

4-10. DrCloud(ドクタークラウド)

提供形態:クラウド型|主な対象:無床診療所・在宅医療・訪問診療|提供元:メドピア株式会社関連

クラウド型レセコンとして無床診療所・在宅医療・訪問診療分野に強みを持つ製品。モバイル端末での利用に対応しており、訪問診療での現場入力・レセプト作成をクラウドで完結できます。オンライン資格確認・電子処方箋対応。クラウドカルテとのAPI連携にも対応しています。在宅医療特有の加算管理機能を標準搭載しており、訪問診療・在宅医療特化のシステム構築に適しています。

強み:在宅・訪問診療特化・モバイル対応・クラウド完結・在宅加算管理。留意点:外来診療メインの大規模クリニックには機能が在宅特化であることを考慮してください。

5. 業種別 選び方マトリクス

業種・診療スタイルによって最適なレセコンの選択軸が変わります。以下を目安に絞り込んでください。

業種/診療スタイル第一候補(クラウド)第二候補(オンプレ)選定の重要観点
内科(無床・外来中心)Medi-Mate / DrCloud / メディコム iEORCA / Medicom外来件数・レセコン一体型 vs 単独型
整形外科(無床〜有床)Medi-Mate / Doctor Soft(クラウド)Medicom / Hi-SEED画像連携・リハビリ管理との統合
眼科(無床)Medi-Mate / メディコム iEORCA / MedicomOCT連携・眼科カルテとの一体性
皮膚科(無床)Medi-Mate / メディコム iEORCA / Medicom画像比較機能・自費診療管理
歯科歯科専用システム推奨歯科専用システム推奨歯式・自費・保険が混在する特殊業務
訪問看護・在宅医療DrCloud / Medi-MateDoctor Softモバイル対応・在宅加算・訪問件数管理
中規模クリニック(複数科)Medi-Mate / Doctor SoftMedicom / Hi-SEED / WAY-NS複数科管理・受付・会計の統合
有床診療所(病床〜19床)Medicom / Doctor Soft / WAY-NS入退院管理・看護記録との連携
中規模病院(20床〜)Hi-SEED / WAY-NS / MedicomHIS統合・部門連携・多職種対応
歯科は保険算定・歯式管理の特殊性から、歯科専用レセコン・電子カルテの利用を強く推奨します。

6. 規模別ガイド(5段階)

Stage 1:個人開業(医師1名・スタッフ1〜3名)

初期費用の最小化とITメンテナンスの負荷軽減が最優先。クラウド型(Medi-Mate・メディコム iE・DrCloud・レセプト博士)が第一候補。電子カルテと一体型の製品を選ぶことで、カルテ・レセプト・会計を一元管理でき、事務スタッフが少なくても運用できます。IT担当がいない場合は認定サポート事業者つきのORCAも選択肢となります。

Stage 2:小規模クリニック(医師1〜3名・スタッフ4〜10名)

患者数増加に伴い、月次レセプト件数管理・受付効率・予約連携が重要になります。クラウド型(Medi-Mate・Doctor Soft)とオンプレ(ORCA・Medicom)の両方を比較検討するフェーズ。複数の診療科をまたぐ場合は、科目別レセプト管理の実績を確認することが重要です。

Stage 3:中規模クリニック(医師4〜10名・スタッフ11〜30名)

複数科・高件数レセプト処理・レセプト審査への対応精度が問われるフェーズ。オンプレ型(Medicom・Hi-SEED・WAY-NS)の検討が現実的になります。クラウド移行の場合はデータ移行コスト・移行リスクを事前試算してください。多店舗・多院展開を見据えるならクラウドの一元管理機能を持つ製品が有利です。

Stage 4:有床診療所(病床あり〜19床)

入院レセプト(DPC・出来高問わず)・入退院管理・看護記録との連携が必要になります。Medicom・Doctor Soft・WAY-NS など有床対応の製品を選択。クラウド型は有床対応が限定的なため、オンプレ型が選ばれる傾向があります。

Stage 5:中規模病院(20床以上)

HIS(病院情報システム)との統合・多部門連携・DPC請求管理が必須。Hi-SEED W10・WAY-NS・Medicom(病院版) などが候補。導入期間は6ヶ月〜2年規模となり、院内に専任の医療IT担当者またはシステムインテグレーターの関与が推奨されます。

7. 5段階 導入フロー

STEP 1:要件整理(3〜6ヶ月前)

  • 現行業務フロー(受付→診察→会計→レセプト→請求)の棚卸し
  • 必須要件の明文化(提供形態・連携カルテ・対応科目・規模)
  • 予算上限の設定(初期費用・月額・5年TCO・移行費用含む)
  • IT導入補助金申請の可否確認(事前申請が必要)
  • 3〜5製品のロングリスト作成

STEP 2:選定・比較(2〜3ヶ月前)

  • 各製品の資料請求・公式デモ確認(本文「質問リスト15項目」参照)
  • 相見積取得(最低3社)
  • 現在使用中の電子カルテとの連携確認(API仕様・実績)
  • 同規模・同業種の導入医療機関へのヒアリング
  • ショートリスト2〜3製品に絞込み

STEP 3:契約(1〜2ヶ月前)

  • 契約書精査(最低契約期間・解約条件・違約金・データ所有権)
  • データ移行条件の明文化(移行対象・形式・コスト・期間)
  • サポート範囲・対応時間帯の確認(診療報酬改定対応速度を含む)
  • IT導入補助金利用の場合は事前申請・採択確認後に契約

STEP 4:導入(1ヶ月前〜稼働)

  • マスタ設定(診療報酬点数・薬剤・検査項目・保険情報)
  • 旧レセコンからのデータ移行・検証
  • スタッフ操作研修(受付・医事担当者向け)
  • 並行稼働期間(新旧システムで1〜2月同時運用して確認)
  • 本稼働切替・支払基金への番号移行届

STEP 5:運用定着(稼働後)

  • 月次レセプト提出・査定結果の確認
  • 診療報酬改定時のマスタ更新確認(改定月に必ず実施)
  • 定期的なバックアップ確認(クラウドはベンダー確認・オンプレは自院管理)
  • スタッフ習熟度の確認・追加研修
ダッシュボード

8. 5年・10年TCO(総保有コスト)試算

以下は業界一般的な費用水準をもとにした あくまで試算の目安 です。実際の費用は製品・構成・規模・地域・サポート内容により大幅に変動します。必ず複数社から相見積を取得してください。

形態初期費用目安月額目安5年累計10年累計
クラウド型(小規模・無床)0〜20万円1.5〜4万円90〜260万円180〜500万円
クラウド型(中規模)20〜80万円3〜8万円200〜560万円380〜1,040万円
ORCA(OSS・認定サポート付き)30〜80万円(導入支援)1〜3万円(サポート)90〜260万円150〜440万円
オンプレ型(小規模)150〜400万円2〜6万円(保守)270〜760万円390〜1,120万円
オンプレ型(中規模クリニック)400〜1,500万円5〜20万円(保守)700〜2,700万円1,000〜4,500万円
オンプレ型(病院)2,000〜1億円超30〜100万円(保守)別途試算必須別途試算必須
※5年・10年でハードウェア更新(オンプレ)、料金改定(クラウド)等の影響あり。移行費用・研修費用を含めた全体TCOで比較してください。

参考:電子カルテの費用相場【規模別まとめ】 も合わせてご覧ください。

9. IT導入補助金2026 活用ポイント

「IT導入補助金」は中小企業・小規模事業者がITツールを導入する際の費用の一部を補助する制度です(運営:中小企業庁)。医療機関でも一定の要件を満たせば申請可能で、対象となるレセコン・電子カルテが複数登録されています。最新の対象製品リストは IT導入補助金公式サイト でご確認ください(本記事公開後に対象製品・補助率が変更される場合があります)。

レセコン導入でIT導入補助金を活用する主な手順

  1. GビズIDプライムアカウント取得(事業者登録。取得に2〜3週間かかることがあるため早めに)
  2. IT導入支援事業者(レセコンベンダー)の確認:選定中の製品が対象事業者として登録されているか確認
  3. 事業計画書の策定・申請:補助金申請の書類準備・電子申請
  4. 採択通知の受領後に契約:採択前の契約・発注は補助対象外(遡及不可)
  5. 事業実施・実績報告:導入後に実績報告書を提出
  6. 補助金の受領:実績審査後に入金

申請時の注意点

  • 申請から支給まで数ヶ月かかるため、資金繰り計画が必要
  • 補助対象経費の範囲が限定的(ソフトウェア費・クラウド利用料・導入支援費等が対象の中心)
  • 事前申請が必須。補助金申請前の発注・契約は対象外
  • 採択後の実績報告義務(期間内の運用・報告が必要)
  • 医療DX推進体制整備加算などの診療報酬加算の要件と合わせて検討すると効果的

詳細は IT導入補助金2026 電子カルテは対象になるか も参照してください。

10. 失敗事例5件(公開情報・一般的パターンベース)

  • 失敗事例1:電子カルテとの連携が想定外に機能しなかった
    選定時に「連携対応」とあったが、実際は手動データ入力が必要なケースがあることが稼働後に判明。対策:連携形式(リアルタイムAPI か バッチ連携か)・連携できる項目の具体的な仕様を契約前に書面で確認する。
  • 失敗事例2:診療報酬改定対応が遅れ、請求エラーが続いた
    改定月にマスタ更新が提供されたが適用が遅れ、誤請求・返戻が発生。対策:過去3回以上の改定対応実績・提供タイミングをベンダーに明示確認する。
  • 失敗事例3:乗り換え時のデータ移行で患者データが一部欠損
    旧システムのデータ形式が新システムに非対応で、過去データの一部が移行不可能に。対策:移行対象データの一覧・形式・移行テスト手順を契約前に確認し、並行稼働期間を設ける。
  • 失敗事例4:解約時に高額な違約金が発生
    最低契約期間3年の途中で解約したところ、残余月分の違約金が請求された。対策:契約書の最低契約期間・解約条件・違約金条項を必ず精査し、顧問弁護士や専門家への相談も検討する。
  • 失敗事例5:サポートが事実上つながらず、月末の請求作業が滞った
    月末のレセプト請求集中時期にトラブルが発生したが、サポートが繋がらず業務に支障。対策:月末・改定月のサポート対応体制・電話受付時間・リモートサポートの有無を事前確認する。

11. ベンダーへの質問リスト(15項目)

  1. 初期費用・月額費用・保守費用の内訳は?(税込みの明細を書面で確認)
  2. 最低契約期間・解約条件・違約金は?
  3. 診療報酬改定への対応はいつ・どのような形で提供されますか?(過去3回の実績を確認)
  4. オンライン資格確認・電子処方箋への対応状況と、今後の制度変更への対応予定は?
  5. 電子カルテとの連携形式(リアルタイムAPI・バッチ・手動)と連携実績は?
  6. 患者データ・マスタのエクスポート可能な形式と、乗り換え時の移行支援費用は?
  7. 3省2ガイドライン準拠の証明書・認証取得状況は?
  8. データのバックアップ頻度・保管期間・所在地(クラウド型はデータセンター所在国)は?
  9. 障害発生時の対応手順・SLA(稼働率保証)は?
  10. サポート対応時間帯(平日・土日・月末・改定月)は?
  11. 導入時の研修プログラムの内容・費用は?
  12. IT導入補助金の登録対象製品かどうか?(登録番号の確認)
  13. 過去3年間のセキュリティインシデント(情報漏洩等)の有無と対応状況は?
  14. 同規模・同業種の医療機関へのリファレンス紹介は可能か?
  15. 機能アップデートの頻度・適用方法・ダウンタイムの有無は?
パズル=適合

12. よくある質問(FAQ 15問)

Q1. レセコン一体型と単独型、どちらを選ぶべきですか?

A. 電子カルテを新規に選定するならレセコン一体型がシステム管理・コスト面でシンプルになることが多いです。既存の電子カルテを継続する場合は、連携実績のある単独型レセコンを選ぶのが一般的です。

Q2. クラウド型レセコンは安全ですか?

A. 主要クラウド型製品は3省2ガイドライン準拠を表明しています。データセンター所在・暗号化・アクセスログ管理を契約前に公式に確認してください。

Q3. オンライン資格確認への対応は必須ですか?

A. 2023年4月から原則義務化されており、選定するレセコンのオンライン資格確認対応は必須確認事項です。詳細は 厚生労働省のオンライン資格確認等システムページ をご確認ください。

Q4. IT導入補助金はレセコンに使えますか?

A. 対象となる製品が複数あります。最新の対象製品リストと補助率は IT導入補助金公式サイト でご確認ください。

Q5. 乗り換え時のデータ移行はどうすればいいですか?

A. 旧システムからのエクスポート形式と新システムへのインポート対応を契約前に確認。並行稼働期間(1〜2ヶ月)を設けて移行ミスを防ぐことを推奨します。

Q6. ORCAは無料で使えますか?

A. ORCAのソフトウェア本体はオープンソースで無償ですが、導入支援・保守サポートは認定サポート事業者との契約が必要で費用が発生します。

Q7. 診療報酬改定への対応は自動ですか?

A. クラウド型は自動アップデートが多いですが、マスタの確認・適用テストは医療機関側の確認が必要です。オンプレ型は更新ファイルの適用作業が発生することがあります。

Q8. 月末のレセプト請求時期にサポートは繋がりますか?

A. 月末・改定月のサポート対応体制は製品・ベンダーにより異なります。選定時に月末・休日の対応状況を書面で確認することを推奨します。

Q9. 電子処方箋への対応は必要ですか?

A. 厚生労働省が電子処方箋の普及を推進しており、対応製品を選ぶことで薬局との情報連携がスムーズになります。詳細は 厚生労働省・電子処方箋ページ をご確認ください。

Q10. 歯科向けレセコンは一般科と同じでいいですか?

A. 歯科は歯式・点数算定の仕組みが一般科と大きく異なります。歯科専用レセコン・電子カルテの利用を強く推奨します。

Q11. 訪問診療・在宅医療に特化したレセコンはありますか?

A. DrCloudなど在宅医療特化のクラウド型レセコンがあります。在宅加算の管理・モバイル対応・訪問件数管理などに特化した機能を持ちます。

Q12. 初期費用を抑えたい場合のおすすめは?

A. クラウド型(Medi-Mate・メディコム iE・レセプト博士・DrCloud)やORCA(OSS)がコスト面で優位です。IT導入補助金を活用することで初期負担をさらに軽減できる場合があります。

Q13. 複数院(多店舗)展開に適したレセコンは?

A. クラウド型で多院管理機能を持つ製品(Medi-Mate等)が一元管理に優れます。オンプレ型を複数院に展開する場合はサーバー・サポートコストが増加します。

Q14. レセコンと電子カルテを別ベンダーにしても問題ありませんか?

A. 連携実績のある組み合わせであれば問題ありません。ただしトラブル発生時の責任分界点が複雑になるため、連携仕様・サポート責任の範囲を契約前に両ベンダーに確認してください。

Q15. 現在のレセコンに不満があります。乗り換えの目安は?

A. 「診療報酬改定対応が遅い」「データ移行不可」「サポートが遅い」「料金が突然上がった」などの場合が乗り換え検討の主なタイミングです。乗り換えは最低3〜6ヶ月の検討期間を設けて計画的に実施してください。

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出典・参考情報

免責事項

本記事は情報提供を目的としており、医療行為・診療判断・経営判断・レセプト請求の具体的助言ではありません。製品仕様・料金・対応状況は記事公開時点の公式公開情報をもとに整理しており、最新情報は必ず各製品の公式サイトでご確認ください。IT導入補助金の補助率・対象要件は年度ごとに変更されます。導入の最終判断は貴施設の責任において行ってください。

編集方針 | 最終更新日: 2026-04-25

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mitoru編集部の見解

レセコン選定は、施設基準算定・診療報酬改定への追従速度・返戻率の3軸で評価するのが実務的です。価格だけで決めると改定対応の遅延・施設基準算定漏れにより、相応の規模の機会損失につながるケースがあります。

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