「ケアマネとして働いているが、自分の年収は適正なのか」「転職や職場変更で年収は上がるのか」——介護支援専門員(ケアマネジャー)として働く方が転職を考えるとき、多くの方が最初にぶつかる疑問です。しかし、ケアマネの年収は勤務先の事業所形態・経験年数・地域・資格の有無によって大きく差が開くため、単純な平均値だけを見ても正確な判断材料になりません。
本記事では、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」および「介護従事者の処遇状況等調査」、e-Stat 公的統計データをもとに、ケアマネの年収相場を「経験年数別」「事業所形態別」「地域別」の3軸で体系的に整理します。処遇改善加算の最新動向や主任ケアマネ(主任介護支援専門員)の年収プレミアムも詳しく解説するため、現状確認から転職検討まで幅広く活用してください。
この記事でわかること
- ケアマネ年収の全体中央値・経験年数別レンジ(2026年最新版)
- 居宅介護支援・地域包括支援センター・施設ケアマネ・主任ケアマネの事業所形態別年収差
- 都道府県別・事業規模別の年収格差の実態
- 処遇改善加算・特定処遇改善加算が年収に与える具体的影響額
- 経験年数・ライフステージ別のキャリア選択指針
- 年収交渉前チェックリスト10項目以上
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1. はじめに——ケアマネ年収を判断する前に知っておくべき構造
ケアマネジャー(介護支援専門員)は介護保険制度の要として機能する専門職です。利用者の心身状況を総合的にアセスメントし、ケアプランを作成・モニタリングするという業務の専門性は高い反面、「介護職の中でどのような処遇水準に位置するか」が分かりにくいという実情があります。
厚生労働省「介護従事者の処遇状況等調査(令和5年度)」によると、介護支援専門員の月額賃金(常勤換算)の平均は約35万円前後(諸手当込み)とされています。年収換算で420万円程度が目安となりますが、この数字は事業所形態・地域・経験年数・保有資格によって大幅に変動します。
重要なのは、ケアマネの年収が「基本給」だけで決まらない点です。処遇改善加算・特定処遇改善加算・職場環境等要件加算など介護報酬上の加算が事業所の収益を左右し、その配分が職員の賃金に直接影響します。また、主任ケアマネの資格取得や管理職ポストへの就任が、年収に10〜20%のプレミアムをもたらすケースも少なくありません。
本記事では数字の背景にある仕組みを解説しながら、「自分のポジションを客観的に把握し、次のキャリアステップで何を選べば年収が改善するか」を考えるための実用的な判断基準を提供します。
1-1. 本記事で使用するデータの読み方
本記事では年収を「平均値・中央値・レンジ(下位25%〜上位75%の四分位範囲)」で提示します。平均値は高処遇層に引き上げられやすいため、自分の実感に近いのは中央値です。レンジはその属性に当てはまる人が多く分布する帯域を示しています。なお、すべての数値は「税込み・額面年収(賞与含む)」で統一しており、手取りは概ね額面の75〜80%程度(社会保険料・所得税・住民税差し引き後)となります。
2. ケアマネ年収の全体像——中央値と経験年数別レンジ

まずケアマネ全体の年収分布を確認します。厚生労働省「令和5年度介護従事者の処遇状況等調査」および「賃金構造基本統計調査(令和5年)」の公表データを組み合わせると、介護支援専門員の年収は以下の分布になります。
| 経験年数 | 年収レンジ(下位25%〜上位75%) | 中央値(目安) |
|---|---|---|
| 1〜3年(新人〜中堅入口) | 330万円〜400万円 | 360万円 |
| 4〜7年(中堅) | 370万円〜460万円 | 410万円 |
| 8〜12年(シニア) | 410万円〜520万円 | 460万円 |
| 13年以上(ベテラン) | 440万円〜580万円 | 500万円 |
| 主任ケアマネ取得後 | 480万円〜650万円 | 550万円 |
※出典:厚生労働省「介護従事者の処遇状況等調査(令和5年度)」「賃金構造基本統計調査(令和5年)」をもとに編集部試算。取得日:2026-05-15
全体中央値は約420〜430万円と推計されます。同じ介護職の中でもホームヘルパーや介護福祉士(施設現場スタッフ)の中央値が350万円前後であることを踏まえると、ケアマネは「資格・専門性に対するプレミアム」が年収にある程度反映されている職種と言えます。
一方で、医療・法律系の専門職と比較すると年収水準は低く、「介護支援の高い専門性に対して年収が追いついていない」という構造的な課題も指摘されています。この格差の背景には介護報酬の総額規制と処遇改善加算の配分ルールがあり、後述する第5節で詳しく解説します。
2-1. 経験年数と年収の相関
ケアマネの年収カーブは医師・看護師ほど急峻ではありませんが、経験年数が増えるにつれて緩やかに上昇する傾向があります。特に「8〜12年」の時期は、主任ケアマネ取得の機会(更新研修修了が要件)と重なるため、資格取得タイミングによって年収格差が生じやすい時期です。
また、勤続年数ではなく「活躍の幅」が年収を決める要素として大きくなっています。事業所内でのマネジメント業務・地域ケア会議への参加・地域連携担当としての実績が積み重なると、役職手当・調整手当として月額1〜3万円が上乗せされるケースがあります。
3. 事業所形態別年収——居宅介護支援・地域包括・施設ケアマネ・主任ケアマネの差
ケアマネの年収に最も大きく影響するのが「どの事業所形態で働くか」です。同じ経験年数・保有資格であっても、事業所形態によって年収に50〜100万円の差が生じることがあります。
| 事業所形態 | 年収目安(常勤正社員) | 特徴・留意点 |
|---|---|---|
| 居宅介護支援事業所(独立型) | 380万〜480万円 | 担当件数35件が上限。利益率が低く賃金水準が抑制されやすい |
| 居宅介護支援事業所(併設型) | 400万〜510万円 | 訪問看護・デイ等との兼業で安定収益。本体法人の規模に左右される |
| 地域包括支援センター(公立) | 420万〜560万円 | 公務員または準公務員処遇。昇給・退職金が安定。市町村委託型は年収高め |
| 地域包括支援センター(委託法人) | 390万〜500万円 | 委託法人の規模・財政力に依存。自治体の補助水準が収入を左右する |
| 特別養護老人ホーム(施設ケアマネ) | 400万〜530万円 | 介護職兼務が多い。処遇改善加算の対象外の業務が含まれるケースあり |
| 介護老人保健施設(施設ケアマネ) | 410万〜540万円 | 医療系法人が母体のため賃金水準が比較的高い |
| 主任ケアマネ(管理者兼任) | 480万〜660万円 | 管理者手当が上乗せ。小規模事業所では収入頭打ちになるケースも |
※出典:厚生労働省「介護従事者の処遇状況等調査(令和5年度)」「社会福祉施設等調査(令和5年)」をもとに編集部試算。取得日:2026-05-15
3-1. 居宅介護支援事業所の年収の実態
居宅介護支援事業所(居宅ケアマネ)は、ケアマネの中で最も多い就労形態です。介護保険法上、ケアマネ1人が担当できる利用者数は原則35件(特定事業所加算取得時は上限緩和あり)と定められており、担当件数が収益に直結する構造です。事業所が小規模な場合、利益率が低く基本給水準が抑制される傾向があります。
特定事業所加算(Ⅰ〜Ⅳ)を算定している事業所では処遇改善の財源が増え、職員の賃金水準が上がりやすくなります。転職時には「特定事業所加算の取得状況」をあらかじめ確認することを推奨します。
3-2. 地域包括支援センターの年収特性
地域包括支援センターは市区町村が直営または委託で設置する機関です。特に直営(公立)の場合は地方公務員または同等の処遇が適用され、退職金制度や昇給テーブルが安定しています。委託法人型の場合は法人の財務力・自治体の委託費水準によって給与が大きく変わるため、具体的な委託元自治体の補助実績を確認することが有効です。
3-3. 施設ケアマネの年収とポジション
特養・老健・介護医療院などの施設系事業所で勤務する施設ケアマネは、「施設の介護報酬収益+母体法人の財務規模」が賃金水準を決めます。医療法人が母体の老健・介護医療院は比較的高い年収水準を維持しやすく、社会福祉法人運営の特養は法人規模によって大きな差があります。なお、施設ケアマネは介護職との兼務が発生するケースが多く、兼務比率が高くなるほど時間単位の拘束感が増す反面、経験の幅が広がる利点もあります。
3-4. 主任ケアマネの年収プレミアム
主任介護支援専門員(主任ケアマネ)は、地域包括支援センターへの必置義務(2021年介護保険法改正)が強化されて以降、需要が増加しています。資格取得後に管理者ポストに就いた場合、管理者手当として月額2〜5万円(年収換算24〜60万円)が上乗せされるケースが一般的です。さらに「特定事業所加算Ⅰ・Ⅱ」の算定要件が主任ケアマネの在籍を求めているため、主任ケアマネは事業所にとって加算収益の鍵となる存在であり、引き留め・優遇処遇の対象になりやすいです。
4. 地域別・規模別の年収差——都市部と地方、大規模法人と小規模の実態
ケアマネの年収は都道府県・事業所規模によっても大きく異なります。厚生労働省「賃金構造基本統計調査(令和5年)」の地域区分別データを参考に、主要エリアの年収水準を整理します。
| 地域区分 | ケアマネ年収中央値(目安) | 対全国比 |
|---|---|---|
| 関東(東京・神奈川・埼玉・千葉) | 440万〜520万円 | +10〜+20% |
| 近畿(大阪・京都・兵庫) | 410万〜490万円 | +5〜+15% |
| 中部(愛知・静岡・岐阜) | 400万〜470万円 | +3〜+10% |
| 北海道・東北 | 360万〜430万円 | −5〜−10% |
| 中国・四国 | 355万〜420万円 | −5〜−12% |
| 九州・沖縄 | 340万〜410万円 | −8〜−15% |
※出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査(令和5年)」都道府県別データをもとに編集部試算。取得日:2026-05-15
都市部の年収が高い理由は、物価・生活費の高さに応じた地域手当の付加だけでなく、事業所間の競争が激しいため採用・定着のために待遇を引き上げる傾向があることも影響しています。一方で、地方では強く額は低いものの「生活コストに対する購買力」は都市部に劣るとも限りません。実際の転職検討時には、年収の強く額と生活費の両方を比較することが重要です。
4-1. 事業所規模による年収差
事業所の規模(法人全体の職員数・売上)は、ケアマネの年収に大きく影響します。一般的に、職員数500名以上の大規模法人や医療グループ傘下の介護事業者では、賃金テーブルが整備されており昇給・賞与が安定しています。一方、職員数50名未満の小規模居宅介護支援事業所では、経営者判断によって賃金が決まるケースが多く、業績悪化時の影響を直接受けやすい特性があります。
転職先を選ぶ際は「事業所単体の規模」だけでなく、「法人グループ全体の財務規模」を確認することを推奨します。系列にデイサービス・訪問看護・老健等が複数あるグループは財務的安定性が高く、ケアマネのキャリアパス(管理者・スーパーバイザー・法人本部職)も広がりやすい傾向があります。
5. 処遇改善加算・特定処遇改善加算がケアマネ年収に与える影響
介護職の年収格差を理解するうえで、処遇改善加算の仕組みを知ることは不可欠です。処遇改善加算は国が介護事業者に支給する介護報酬の上乗せ分であり、事業者が職員の賃金改善に充てることを条件としています。2024年度介護報酬改定では「介護職員処遇改善加算」「特定処遇改善加算」「職場環境等要件加算」が一本化された「介護職員処遇改善支援補助金」として整理され、より柔軟な配分が可能になりました。
ケアマネ(介護支援専門員)は、これまで処遇改善加算の「直接的な配分対象外」とされる場合があり、介護職員(ホームヘルパー・介護福祉士)との処遇格差が問題視されてきました。しかし2024年度改定以降は「特定処遇改善加算の配分対象をケアマネ等に広げる」方針が明確化されており、配分するかどうかは各事業所の方針次第となっています。
5-1. 処遇改善加算の金額感
処遇改善加算が適切に配分されている事業所では、月額1万〜3万円(年収換算12万〜36万円)の上乗せが期待できます。特定処遇改善加算Ⅰを取得している事業所で「技能・経験のある職員」に該当するケアマネは、さらに上位の配分を受けられる可能性があります。一方、加算を取得していない事業所や配分率が低い事業所では、この上乗せが全くないケースもあります。
転職先候補の事業所に対しては「処遇改善加算の取得区分」と「ケアマネへの配分有無・配分金額」を面接時にあらかじめ確認することを強く推奨します。この一点だけで年収に30万円以上の差が生まれることがあるためです。
5-2. 2024年度改定以降の動向
厚生労働省は2024年度介護報酬改定において、介護職員の賃金改善を目的とした処遇改善加算を2.4%引き上げる措置を実施しました。これにより加算を取得・活用している事業所では年収ベースで5万〜15万円の改善が見込まれています。また、2025〜2026年度にかけても段階的な引き上げ方針が継続されており、今後数年で「ケアマネの年収は全体的に緩やかな上昇傾向」が続く見込みです。出典:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定の概要」(取得日:2026-05-15)
6. あなたに合う選択肢は?——経験年数別・ライフステージ別のキャリア判断軸
年収の数字を把握したうえで、「自分に合うキャリア選択は何か」を整理します。経験年数とライフステージによって、重視すべき要素が異なります。
6-1. 経験1〜3年(新人〜中堅入口)の方
ケアマネ資格取得直後のこの時期は「年収の強く額」よりも「スキル蓄積の質」を優先する時期です。居宅介護支援・地域包括・施設系のうち、スーパービジョン体制が整っている事業所を選ぶことが長期的な年収向上につながります。現任研修・更新研修の受講支援が充実している法人を選ぶと、主任ケアマネ取得への道が開けます。
6-2. 経験4〜7年(中堅)の方
担当件数をこなしながらスキルが安定してくるこの時期は、年収の強く額が「勤務先による格差」に直結し始めます。同じスキルを持ちながらも事業所形態・規模の差で年収に50〜80万円の開きが生じることがあります。現職との年収差を具体的に試算したうえで転職検討に入ることを推奨します。また、主任ケアマネ取得を視野に入れた法人内異動・外部研修参加の機会を積極的に探す時期です。
6-3. 経験8年以上・主任ケアマネ取得後の方
主任ケアマネ取得後は管理者・スーパーバイザー・地域連携担当等のポジションが現実的な選択肢になります。地域包括支援センターの管理者職は年収520〜600万円台に届くケースもあり、「専門職として年収600万円の壁を超えるルート」として有効です。一方で、管理業務の比重が増えることによる現場支援業務の減少を許容できるかどうか、事前に自己確認することが重要です。
6-4. 育児・介護等のライフイベントがある方
育児休業・時短勤務・介護との両立を検討している場合は、「制度の整備状況」と「実際の取得実績」の両方を確認することが必須です。大規模法人・公立系地域包括は育休・時短の取得率が高い傾向がありますが、小規模居宅介護支援事業所では取得実績がほぼない場合もあります。時短勤務の場合、年収は常勤の70〜80%程度になるため、強く額の試算を事前に行ってください。
7. 年収交渉前チェックリスト——転職・昇給交渉で失敗しないための10項目

年収交渉は準備が9割です。以下のチェックリストを使って、交渉前に自分の状況を整理してください。
- 【1】自分の現在の年収(基本給・賞与・手当を別々に把握しているか)
- 【2】転職先が算定している処遇改善加算の区分(Ⅰ〜Ⅲ等)とケアマネへの配分有無を確認したか
- 【3】担当件数の上限設定と現実の担当件数平均を把握しているか
- 【4】主任ケアマネ取得後の管理職・手当への道筋(キャリアパス)を提示してもらったか
- 【5】賞与の支給実績(過去2〜3年分)と月数を確認したか
- 【6】昇給テーブル(定期昇給の金額・条件)が書面で確認できるか
- 【7】時間外労働・持ち帰り業務・移動コストの実態を現場スタッフに確認したか
- 【8】退職金制度の有無と勤続年数に応じた目安額を確認したか
- 【9】特定事業所加算(Ⅰ〜Ⅳ)の取得状況と、取得による職員への還元ルールを確認したか
- 【10】現職の「引き留め提示額」と転職先の「提示年収」を同一基準で比較したか(手当・福利厚生込みで)
- 【11】転職先の近年の離職率・在籍年数(Openwork等の口コミ・事業所公表値)を調べたか
- 【12】自分の「強み・専門領域(医療依存度の高い利用者対応経験等)」を言語化して交渉材料にしているか
特に重要なのは【2】【5】【9】の3項目です。処遇改善加算の配分・賞与の実績・特定事業所加算の取得状況は、求人票に記載されないことが多いため、面接の場であらかじめ直接確認してください。「確認しにくい」と感じる場合は、転職エージェントを経由すると内部情報を入手しやすくなります。
8. つまずきやすいポイント——年収提示の罠と注意すべきパターン
ケアマネの転職・年収交渉でよくある失敗パターンを整理します。事前に知っておくことでリスクを大幅に軽減できます。
8-1. 「月給30万円」の落とし穴
求人票に「月給30万円」と記載されていても、その内訳に「固定残業代(みなし残業:20〜40時間分含む)」が含まれている場合があります。固定残業代が月額3〜5万円含まれていると、実質の基本給は25〜27万円にとどまります。年収に換算すると、賞与・手当込みでも400万円を下回るケースがあります。求人票を見る際は「固定残業代の有無・時間数」をあらかじめ確認してください。
8-2. 処遇改善加算を「上乗せ」と誤解するケース
「処遇改善加算が手厚い事業所」という求人文句を見て、現職より高い年収が保証されると思い込むのは危険です。処遇改善加算は事業所が受け取る介護報酬の上乗せ分であり、職員への配分方法・配分割合は事業所が決定します。加算取得 = 職員に全額還元、ではありません。「ケアマネへの月額配分額の実績」を数字で確認してください。
8-3. 担当件数超過による年収の実質低下
年収500万円を提示されても、担当件数が実質45〜50件(法定上限の35件を超える状態)になっている場合、時間単価で見ると適正水準を下回ることがあります。超過担当件数の実態・残業の実態・持ち帰り業務の有無は、現場スタッフへのOB/OG訪問や転職エージェント経由の情報収集で確認してください。
8-4. 主任ケアマネ取得後の「期待値」と「現実」のギャップ
主任ケアマネ取得によって「自動的に管理者手当がつく」と期待するケースがありますが、管理者登用は事業所の欠員やポスト空きに依存します。資格取得後も一般ケアマネとして待機期間が続くケースも珍しくありません。取得前に「取得後のポジション変更・手当付与の見通し」を上長・人事に確認することを推奨します。
9. よくある質問(FAQ)
- Q1. ケアマネの平均年収はいくらですか?
- 厚生労働省「介護従事者の処遇状況等調査(令和5年度)」によると、介護支援専門員の月額賃金(常勤換算)は諸手当込みで35万円前後が目安とされています。年収換算で420〜430万円程度が全体の中央値です。ただし事業所形態・経験年数・地域によって360〜660万円の幅があります。(取得日:2026-05-15)
- Q2. 主任ケアマネを取得すると年収はいくら上がりますか?
- 管理者ポストに就いた場合、管理者手当として月額2〜5万円(年収換算24〜60万円)が上乗せされるケースが多いです。特定事業所加算Ⅰを算定できるようになる事業所では、事業所全体の収益増がさらなる賃金改善につながる場合もあります。資格取得のみで管理者登用がない場合は、上乗せが生じないケースもあります。
- Q3. 居宅と施設のケアマネ、どちらが年収が高いですか?
- 一概には言えませんが、医療法人が母体の老健・介護医療院に勤務する施設ケアマネは、独立型居宅介護支援事業所のケアマネより年収が高い傾向があります。一方、地域包括支援センター(公立直営)は安定処遇で最終的には高水準に達するケースもあります。事業所の「財務規模と処遇改善加算の配分実績」が最重要の判断基準です。
- Q4. 地方に転職したら年収はどれくらい下がりますか?
- 関東・近畿の中央値と比較して、九州・沖縄・東北では10〜15%程度の差が生じることがあります。ただし、地方の物価・家賃水準が低い地域では生活コストの節約分が年収差を補うケースも多いです。年収の強く額と生活コストを両方試算して判断することを推奨します。
- Q5. 処遇改善加算はケアマネに支給されますか?
- 介護職員処遇改善加算の直接対象は「介護職員」ですが、特定処遇改善加算(現・処遇改善支援補助金の一部)は「技能・経験を有する職員」(ケアマネ等を含む場合あり)への配分を認めています。配分するかどうか・どの程度配分するかは事業所の方針次第です。面接時に「ケアマネへの具体的な配分額」を数字で確認することが有効です。
- Q6. ケアマネとして年収600万円は可能ですか?
- 主任ケアマネとして大規模法人の地域包括支援センター管理者や事業部長クラスに就いた場合、年収600万円台に達するケースがあります。また、都市部の公立地域包括支援センターで准公務員処遇を受けた場合も同水準に近づくことがあります。一般ケアマネとして担当件数をこなすだけでは600万円の達成は難しく、管理職・スーパーバイザー・コンサル系の役割移行が条件となります。
- Q7. ケアマネ試験合格直後の転職は年収に影響しますか?
- 資格取得直後(実務経験の要件を満たした段階)での転職は、即戦力として評価される事業所とそうでない事業所で差があります。居宅介護支援事業所は人手不足が深刻なため、取得直後でも正社員での採用・年収350〜380万円台からのスタートが可能なケースが多いです。前職(介護福祉士・看護師等)の実務経験が評価されると、初任給水準が上がることもあります。
- Q8. ケアマネの年収は今後上がりますか?
- 厚生労働省の方針として、介護人材の処遇改善は継続課題とされています。2024年度介護報酬改定での加算拡充に続き、2026年度改定でも介護職全体の処遇改善が議論されています。人材不足が深刻化する中、特に主任ケアマネ・地域包括支援センター職員の処遇改善は政策的な優先事項であり、今後5〜10年での緩やかな上昇傾向は続くと見られます。ただし改定内容により差が生じるため、最新の介護報酬改定情報の継続確認が重要です。出典:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定の概要」(取得日:2026-05-15)
10. 次の1ステップ——今日から始められる年収改善への行動
年収相場を把握したら、次は「自分の現在地の確認」と「次のアクション設定」です。以下の順序で進めることを推奨します。
- 現在の年収の内訳を分解する——基本給・処遇改善加算配分・固定残業代・賞与・各種手当を別々に把握する
- 本記事の相場表と照合する——経験年数・事業所形態・地域区分で自分のレンジを確認する
- 現職の改善余地を確認する——特定事業所加算の取得状況・主任ケアマネ取得後の手当設定を上長に確認する
- 転職市場の求人を3〜5件比較する——チェックリスト12項目を使って条件を精査する
- 主任ケアマネの取得スケジュールを確認する——更新研修・主任研修の受講要件と日程を日本介護支援専門員協会のサイトで確認する
年収は一度の交渉で大きく変えることは難しいですが、「正しい相場を知る→自分のポジションを把握する→具体的な改善策を一つ実行する」という順序で着実に積み上げることが、ケアマネとしてのキャリアと年収を長期的に高める最も確実な方法です。
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- ケアマネ試験の攻略戦略——出題傾向・勉強法・合格ラインの読み方
出典・参考資料
- 厚生労働省「令和5年度介護従事者の処遇状況等調査」(取得日:2026-05-15)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/shogu/index.html - 厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」(取得日:2026-05-15)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2023/index.html - 厚生労働省「令和6年度介護報酬改定の概要」(取得日:2026-05-15)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/index.html - e-Stat 政府統計の総合窓口「社会福祉施設等調査(令和5年)」(取得日:2026-05-15)
https://www.e-stat.go.jp/ - 日本介護支援専門員協会「介護支援専門員(ケアマネジャー)について」(取得日:2026-05-15)
https://www.jcma.or.jp/
免責事項
本記事に記載の年収データは、厚生労働省等の公的統計・公開資料をもとにmitoru編集部が公開情報を整理算・整理したものであり、個別の事業所・職種の年収を保証するものではありません。年収は事業所の経営状況・個人の評価・加算の取得状況等によって異なります。転職・就職の判断は、あらかじめ各事業所の採用担当者に直接確認のうえ、ご自身の判断で行ってください。法令・制度に関する情報は2026年5月時点のものです。改定により内容が変更される場合があります。
最終更新日:2026-05-15
mitoru編集部の見解
ケアマネは法定研修・更新研修の負担が大きく、事業所の研修支援体制が長期就業を左右します。mitoru編集部は、研修費用負担・勤務時間内研修参加可否・主任ケアマネ取得支援の有無を、転職活動の判断軸に加えることを推奨します。