病院の集中ケア認定看護師 完全ガイド【2026年版・B課程/特定行為/教育機関/院内配置/加算】

📅公開日:2026-08-01
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集中ケア認定看護師は、公益社団法人日本看護協会が認定する認定看護師制度の一分野で、生命の危機的状況にある重症患者およびその家族に集中的な看護介入と全人的支援を提供する高度実践看護職です。ICU・HCU・救命救急センター・CCU等の集中治療領域において、人工呼吸器管理・循環動態管理・鎮静鎮痛管理・早期離床・PICS(集中治療後症候群)予防・家族ケアなどの専門的看護を実践するとともに、他の看護師への指導・相談・調整を担う役割が制度上位置づけられています。

本記事は集中治療室師長・キャリア設計中の看護師・看護部長を主な読者と想定し、集中ケア認定看護師の制度上の位置づけ、2019年制度改正で新設された「B課程認定看護師教育課程」(2020年開講)の枠組み、特定行為研修との統合、認定看護師教育機関、資格取得までのステップ、院内配置と役割、重症患者・急変対応、診療報酬上の関連加算、キャリアパス、費用と支援制度について、厚生労働省・日本看護協会等の公開情報を整理した内容としてまとめています。個別の募集要項・カリキュラム・費用・特定行為区分の該当性は、日本看護協会および各認定看護師教育機関の最新公表資料でご確認ください。

この記事で分かること

  • 集中ケア認定看護師の制度上の位置づけと役割定義
  • 2019年制度改正(B課程認定看護師教育課程)の枠組みと2020年開講の背景
  • 認定看護師制度と特定行為研修の統合(B課程での組込み)
  • 認定看護師教育機関の全国展開の考え方
  • 集中ケア認定看護師 取得までのステップ(受験資格・研修・認定審査)
  • 院内における配置モデルと役割(実践・指導・相談)
  • 重症患者管理・急変対応における実務(人工呼吸・鎮静・PICS予防)
  • 特定集中治療室管理料・救命救急入院料等との配置関連
  • キャリアパス(専門看護師・特定行為・管理職・教育者)
  • 費用と支援制度(奨学金・院内派遣・自治体制度)

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1. 集中ケア認定看護師の位置づけ

認定看護師制度は日本看護協会が1995年に発足させた資格制度で、特定の看護分野において熟練した看護技術と知識を用いて水準の高い看護実践のできる者を認定する枠組みです。「集中ケア」は認定看護師分野の一つとして早い段階から設置され、生命の危機的状態にある重症患者への看護を担う分野として位置づけられています。日本看護協会は「実践」「指導」「相談」の3つを認定看護師の中核的役割として整理しています。

活動フィールドは、ICU・HCU・救命救急センター・CCU・SCU・外科系術後回復室(PACU)等の集中治療領域が中心ですが、重症化リスクの高い一般病棟や院内急変対応チーム(RRT:Rapid Response Team)における配置事例も広がっています。担当患者へのベッドサイド看護に加え、看護師への技術指導・院内勉強会の企画・多職種カンファレンス参画・看護標準策定支援など、部署横断的な役割を担う構造です。

2. B課程認定看護師制度(2020年開講)

日本看護協会は2019年に認定看護師制度を改正し、従来のA課程認定看護師教育課程に加えて、特定行為研修を組み込んだ「B課程認定看護師教育課程」を新設しました。B課程は2020年度から順次開講され、集中ケアを含む分野で新制度への移行が進んでいます。制度改正に伴い認定看護分野の再編(分野名称の見直しを含む)も行われ、認定看護師教育の水準向上が図られる構造となっています。A課程の新規募集は経過措置を経て終了、既認定の資格は継続され、B課程への移行学習の枠組みも用意されています。

B課程の主な特徴は、(1)認定看護師教育(分野別)と特定行為研修(区分別)を一体的に修めるカリキュラム、(2)演習・臨地実習の充実、(3)教育機関の質保証の強化、の3点に整理されます。集中ケア分野のB課程では、集中治療領域で必要な特定行為区分(呼吸器関連・循環器関連・栄養および水分管理に係る薬剤投与関連 等)が組み込まれ、修了により集中ケア認定看護師の受験資格と特定行為研修修了要件を並行して取得できる設計です。詳細な区分構成・単位数は各教育機関の募集要項をご確認ください。

3. 特定行為研修との統合

特定行為研修制度は、2015年10月施行の保健師助産師看護師法一部改正に基づく制度で、厚生労働大臣が定める38の特定行為を、手順書により実施できる看護師を計画的に養成する枠組みです。特定行為は21区分に整理されており、集中治療領域で活用される区分としては呼吸器(気道確保・人工呼吸療法)関連、循環器関連、動脈血液ガス分析関連、栄養および水分管理に係る薬剤投与関連などが挙げられます。

B課程認定看護師教育課程は特定行為研修(対応区分)を組み込んだ構成のため、修了者は認定看護師としての専門性と特定行為の実施能力を併せて獲得する構造です。手順書に基づく特定行為の実施は、夜間帯・急変対応での迅速な処置判断が必要となる集中治療領域におけるチーム医療の枠組みとして期待されています。特定行為区分の該当性・手順書の作成要件は、厚生労働省の告示・通知および所定の医師との協議に基づき設計する必要があります。

枠組み認定・修了の主体集中ケア領域での位置づけ
A課程認定看護師日本看護協会(分野別認定)従来型。新規募集は経過措置を経て終了、既認定者は資格継続
B課程認定看護師日本看護協会(分野別認定+特定行為研修統合)2020年度開講。特定行為区分を並行修得
特定行為研修(単独)厚生労働大臣指定研修機関21区分から必要区分を選択して修了

4. 認定看護師教育機関

認定看護師教育機関は、日本看護協会が定める認定基準を満たし認定看護師教育課程を運営する機関です。B課程を運営する機関は日本看護協会が公表する一覧で最新情報が確認できます。集中ケア分野の教育機関は、大学院・看護系大学・大学病院・基幹病院内の教育部門・都道府県看護協会が運営する教育機関等、多様な設置主体で展開されており、地域偏在の是正と受講機会の拡大が制度運営上の課題として整理されています。

受講希望者は、(1)日本看護協会の認定看護師教育機関一覧で対象分野を運営する機関を確認、(2)各機関の募集要項・カリキュラム・実習体制・費用を比較、(3)勤務先の派遣制度・奨学金制度を確認、の順で情報収集を進める運用が実務的です。集中ケア分野では、実習配属先の集中治療室体制(管理料区分・症例数・多職種構成)についても公表資料の範囲で事前確認を行う運用が広く見られます。

5. 取得までのステップ

集中ケア認定看護師の資格取得は、日本看護協会の認定要件に沿って進みます。主なステップは、(1)看護師免許取得後の実務経験の積み上げ、(2)集中ケア分野の実務経験(一定期間以上を集中治療室等で満たす)、(3)認定看護師教育機関(B課程)の受験・入学、(4)教育課程の修了、(5)認定審査(筆記試験)の受験・合格、(6)認定看護師として登録、の6段階に整理されます。

段階主な内容目安
実務経験積み上げ看護師免許取得後、通算の実務経験と分野別実務経験を積む数年単位
教育機関受験B課程認定看護師教育課程(集中ケア)の入学試験年1回程度
教育課程修了共通科目・専門科目・演習・臨地実習・特定行為研修統合1年程度
認定審査日本看護協会が実施する認定審査(筆記試験)修了後
登録・更新認定看護師として登録、5年ごとの更新制認定後

実務経験の要件(通算年数・分野別年数)や教育課程の期間・単位数、認定審査の受験料は日本看護協会が定めており、最新公表資料でご確認ください。認定は5年ごとの更新制で、実践実績・自己研鑽・研修受講等の要件が整理されています。

6. 院内配置と役割

集中ケア認定看護師の院内配置モデルは、施設の規模・診療機能・集中治療室の運営体制により多様です。代表的な配置パターンは、(1)ICU・HCU等の集中治療部門への専任配置、(2)看護部直轄の専任配置(部署横断的な指導・相談・院内RRT参画)、(3)教育担当師長・主任等の管理職ラインでの配置、(4)専門・認定看護師室等の集約配置、の4類型に整理されます。いずれも日本看護協会が示す「実践」「指導」「相談」の3つの役割を担う設計です。

実践面では、重症患者への直接看護(人工呼吸器装着中の口腔ケア・体位管理、循環動態が不安定な患者への清潔ケア、鎮静深度に応じた早期離床の推進等)を担い、看護師のロールモデルとしての役割が期待されます。指導面では、新人・若手看護師への技術指導、院内勉強会・シミュレーション研修の企画、看護手順の策定・改訂を担います。相談面では、他部署の看護師・多職種からの相談対応、家族ケアに関するコンサルテーション、倫理的問題への助言などを担う設計です。

7. 重症患者・急変対応

集中ケア認定看護師が担う重症患者管理の主要領域は、(1)呼吸管理(人工呼吸器装着患者の管理・抜管判断への関与)、(2)循環管理(昇圧薬・強心薬投与中のモニタリング、輸液管理、機械的循環補助中の看護)、(3)鎮静鎮痛・せん妄予防(RASS・BPS/CPOT・CAM-ICUの活用、PADIS準拠の管理)、(4)早期離床・PICS予防、(5)持続的血液浄化中の看護、(6)感染管理、(7)家族看護に整理されます。日本集中治療医学会等のガイドライン群を参照した実践が広く行われています。

院内急変対応では、RRT・コードブルー体制の一員として、一般病棟で重症化リスクが顕在化した患者への早期介入を担う事例が広がっています。院内急変への早期対応は、心停止発生率の低減とICU入室患者の重症度分布の改善に寄与する枠組みとして重要性が示されています。集中ケア認定看護師は、RRT起動基準の院内整備、急変前兆察知(NEWS等)の指導、事後デブリーフィングの運営など、システム面の整備にも関与する構造です。

8. 診療報酬加算との連動

集中治療領域の診療報酬体系では、特定集中治療室管理料・救命救急入院料・ハイケアユニット入院医療管理料等の施設基準および関連加算において、認定看護師・専門看護師・特定行為研修修了者の配置や関与が要件・評価対象として整理されている項目があります。個別の項目・区分・要件は、厚生労働省「令和6年度診療報酬改定」関連資料および地方厚生局の通知でご確認ください。集中ケア認定看護師の配置は、看護の質担保、重症度・看護必要度への対応の観点から施設基準・加算算定の実務と接続する構造です。

特定行為研修修了者の配置は、複数の加算・管理料の枠組みで評価対象として整理されている項目があり、B課程認定看護師は特定行為研修修了者と認定看護師の双方で施設基準・加算算定の実務に関わる構造です。個別の該当性は看護部・診療報酬担当・地方厚生局へご確認ください。

9. キャリアパス

集中ケア認定看護師取得後のキャリアパスは、(1)集中治療領域のスペシャリストとしての深化(症例経験の蓄積・研究発表・院内教育の中核)、(2)専門看護師への大学院進学、(3)特定行為区分の追加取得、(4)看護管理職(師長・副看護部長・看護部長)への進展、(5)認定看護師教育機関の教員・臨地実習指導者への転向、(6)学会活動を通じた地域教育貢献、の6方向に整理されます。

専門看護師(CNS)は大学院修士課程で所定の教育を修めた看護師を対象とする資格で、認定看護師とは制度上の位置づけ・教育プロセスが異なります。集中治療領域では「急性・重症患者看護専門看護師」の分野があり、認定看護師取得後にCNSを目指すキャリアパスは、教育・研究・実践の各面で高度な役割を担うルートとして位置づけられています。看護管理職への進展は、集中治療領域での実践経験と部署横断的な調整実績を活かす方向として広く採用されています。

10. 費用と支援制度

認定看護師教育課程の受講費用は、入学金・授業料・実習費・教材費等で構成され、教育機関により金額が異なります。B課程は特定行為研修を含むため、A課程と比較して受講期間・費用ともに増加する構造です。加えて、受講期間中の生活費・住居費・交通費の負担も検討要素です。実際の総額は各教育機関の募集要項でご確認ください。

支援制度としては、(1)勤務先病院の派遣制度(給与補償・受講費用負担・復職後の勤続年数要件)、(2)日本看護協会の教育支援制度、(3)自治体・都道府県看護協会の奨学金・支援金、(4)教育訓練給付制度(雇用保険法に基づく厚生労働省の給付枠組み)、(5)金融機関の教育ローン、が挙げられます。派遣制度を利用する場合の勤続年数要件・派遣費用の取扱いは労働契約・就業規則の枠組みで整理されるため、看護部・人事部との事前調整が実務的です。

11. よくある質問(FAQ)

Q1. A課程で認定を受けた集中ケア認定看護師の資格は今後も有効ですか?
A. A課程認定看護師の資格は制度改正後も継続され、5年ごとの更新要件を満たすことで認定は継続、実践フィールドでの役割も変わりません。特定行為研修修了要件を追加取得したい場合は、厚生労働大臣指定研修機関で必要区分を単独修了する、あるいは所定の要件を満たしてB課程への移行学習を活用するなどの選択肢が用意されています。詳細は日本看護協会の最新の公表資料でご確認ください。
Q2. 認定看護師と専門看護師の違いは何ですか?
A. 認定看護師(CN)は日本看護協会が認定する分野別の高度実践看護資格で、教育課程は認定看護師教育機関で修めます。専門看護師(CNS)は同じく日本看護協会が認定しますが、大学院修士課程で修める枠組みで、実践・相談・調整・倫理調整・教育・研究の6つの役割が定められています。集中治療領域では、認定看護師「集中ケア」と専門看護師「急性・重症患者看護」が対応分野に位置づけられ、両者は制度上補完的な関係にあります。
Q3. 集中ケア認定看護師の配置は、特定集中治療室管理料の必須要件ですか?
A. 特定集中治療室管理料の看護配置要件は、患者2人に対して看護師1人以上の常時配置(2対1看護)が中核で、認定看護師配置は区分・加算により関連整理される項目です。集中ケア認定看護師・急性重症患者看護専門看護師の配置は、看護の質担保と加算算定の実務に関連する要素として位置づけられています。個別要件は厚生労働省「令和6年度診療報酬改定」関連資料と地方厚生局の通知で最新版をご確認ください。
Q4. 病院として集中ケア認定看護師を院内育成する場合、何から着手すべきですか?
A. 一般的な着手ステップは、(1)看護部の中期人材計画における認定・専門看護師の目標配置数の設定、(2)候補者の選定、(3)派遣制度・費用負担・復職後配置の設計、(4)B課程認定看護師教育機関の候補選定、(5)候補者の受験準備支援、(6)派遣中の代替人員配置、の6段階に整理されます。日本看護協会の関連資料および院内教育部門の運用ノウハウを参照して設計する運用が広く見られます。
Q5. 特定行為研修修了者と集中ケア認定看護師(B課程)はどう使い分けますか?
A. 特定行為研修修了者は、修了した区分の特定行為について手順書に基づく実施ができる看護師です。B課程集中ケア認定看護師は、集中ケア分野の認定看護師としての専門性と、集中治療領域で必要とされる特定行為区分の実施能力を併せ持つ構造で、集中治療領域における実践・指導・相談を担う設計です。単独の特定行為研修修了は分野横断で活用しやすい一方、B課程は集中治療領域における部署横断的役割と特定行為の双方を統合的に担う位置づけとなります。

12. 関連内部リンク・次のステップ

集中ケア認定看護師の育成・配置は、集中治療室運営・多職種チーム医療・診療報酬算定と密接に接続します。以下の関連記事も参考に体制整備と人材育成を進めることが有用です。

13. 出典・参考資料

  • 厚生労働省「特定行為に係る看護師の研修制度」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000077077.html (取得日:2026-08-01)
  • 厚生労働省「特定行為に係る看護師の研修制度の概要」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000070423.html (取得日:2026-08-01)
  • 厚生労働省「令和6年度診療報酬改定」関連資料 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00037.html (取得日:2026-08-01)
  • 厚生労働省「診療報酬の算定方法」関連告示・通知 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411.html (取得日:2026-08-01)
  • 厚生労働省「医療従事者の需給に関する検討会」関連資料 https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei_368422.html (取得日:2026-08-01)
  • 厚生労働省「教育訓練給付制度」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/kyouiku.html (取得日:2026-08-01)
  • 公益社団法人 日本看護協会「認定看護師制度」関連資料 https://nintei.nurse.or.jp/nursing/qualification/cn (取得日:2026-08-01)
  • 公益社団法人 日本看護協会「認定看護師教育機関」一覧 https://nintei.nurse.or.jp/ (取得日:2026-08-01)
  • 公益社団法人 日本看護協会「専門看護師制度」関連資料 https://nintei.nurse.or.jp/nursing/qualification/cns (取得日:2026-08-01)
  • 一般社団法人 日本集中治療医学会「関連ガイドライン」 https://www.jsicm.org/publication/guideline.html (取得日:2026-08-01)

【免責事項】本記事は厚生労働省・公益社団法人日本看護協会・一般社団法人日本集中治療医学会等の公開情報を整理することを目的としており、個別の教育機関の募集要項・カリキュラム・費用・特定行為区分の該当性・診療報酬上の施設基準の該当性を保証するものではありません。関係法令・告示・通知・診療報酬点数表・認定制度は改正・改訂により見直されるため、個別判断は所定の専門人材(日本看護協会・認定看護師教育機関・保険医療機関の指導部門・地方厚生局等)にご確認ください。本記事は医療行為・診断・治療に関する助言を目的とするものではありません。本記事の情報利用によって生じた損害について、mitoru編集部は責任を負いません。

最終更新日:2026年8月1日|編集方針

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mitoru編集部の見解

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