ケアマネの新規担当獲得方法完全ガイド【2026年版・地域包括/医療機関/住民窓口の連携】

📅公開日:2026-06-08
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「居宅介護支援事業所の新規利用者がここ数年伸び悩んでいる」「地域包括支援センターからの紹介が特定の事業所に偏っている気がする」——居宅ケアマネ・管理者からの相談で多いテーマのひとつが、新規担当獲得のルート設計です。介護保険法および指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準では、利用者への公正・中立性の確保が強く求められており、営業活動はビジネスである一方、制度上の枠組みからはみ出さない節度が同時に必要となります。

本記事では、厚生労働省「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」、地域包括ケアシステム関連通知、退院支援関連の診療報酬資料などの公開情報をもとに、2026年時点で居宅ケアマネが取り得る新規担当獲得の合法的なチャネル設計を、地域包括支援センター連携・医療機関連携・住民窓口・利用者家族対応・既存利用者の継続関係の5系統に整理して体系化します。特定の事業所・コンサルティング会社への誘導は一切行いません。

この記事でわかること

  • 新規担当獲得における制度上の論点(公正・中立性の確保)
  • 地域包括支援センターとの連携で守るべき公平ルールと現実的な接点づくり
  • 医療機関(病院MSW・退院支援部門)との連携の枠組みと注意点
  • 居宅介護支援事業所間の役割分担と紹介ルートの考え方
  • 住民窓口・自治体への情報提供の射程と限界
  • 利用者・家族からの直接相談に対する対応設計
  • 既存利用者の継続関係構築を通じた紹介の自然な広がり方
  • 自所のチャネル設計を自己診断する10項目チェックリスト

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1. 新規担当獲得の制度的論点——公正・中立性の確保

居宅介護支援事業所の新規担当獲得を語るうえで、最初に押さえるべきは「公正・中立性の確保」という制度的要請です。指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準では、利用者に対するサービスの公正・中立な提供がケアマネジャーの業務の中核として位置づけられています。これは特定のサービス事業者への誘導や、紹介に対する経済的便益の授受を禁ずる方向で運用される考え方です。

同基準では、居宅介護支援事業者は利用申込者またはその家族に対し、当該事業所が作成する居宅サービス計画について、複数の指定居宅サービス事業者等の紹介を求めることが可能であることなどを文書を交付して説明する義務が定められています。これは利用者の選択権を担保する規定であり、ケアマネ側の営業活動も同じ精神のもとで設計される必要があります。出典:厚生労働省「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」第4条・第5条。

具体的に避けるべき行為としては、紹介を受ける見返りに金銭・物品その他の経済上の利益を提供すること、特定の事業所への誘導を意図したリーフレットを地域包括支援センターや医療機関に持ち込むこと、利用者選択を阻害するような勧誘を行うことが挙げられます。介護保険法第74条等に照らしても、ケアマネジメントの独立性を損なう行為は事業所指定の取消事由となり得る重大な論点です。

1-1. 「営業」と「情報提供」の境界

新規担当獲得活動は、一般的な意味での営業活動と区別して「情報提供」「連携窓口の整備」「地域内の専門職同士の関係構築」といった枠組みで捉え直す必要があります。事業所の所在地・連絡先・受入対応時間・対応可能エリア・特徴(医療ニーズ対応の経験・特定疾患の事例蓄積など)を整理した事業所案内を作成し、利用者選択の材料として公平に流通させる姿勢が基本となります。

1-2. 特定事業所加算と中立性

特定事業所加算の算定要件には、運営基準減算に該当していないこと、利用者数の上限管理、24時間連絡体制の確保、研修体制、主任介護支援専門員の配置などが含まれます。加算取得を維持するためには公正・中立性の確保がより厳格に運用される傾向があり、新規担当獲得活動も加算要件と矛盾しないよう設計することが現実的です。出典:厚生労働省「指定居宅介護支援等に要する費用の額の算定に関する基準」。

2. 地域包括支援センターとの連携

居宅ケアマネにとって、地域包括支援センターは新規担当獲得の最も重要なチャネルのひとつです。介護保険法第115条の46に基づき、地域包括支援センターは要支援者の介護予防ケアマネジメント・総合相談・権利擁護・包括的継続的ケアマネジメント支援の4業務を担い、地域住民からの介護相談の最初の窓口となっています。要介護認定後に居宅介護支援事業所への紹介が必要となった際、センター職員が複数の居宅事業所を紹介する流れが地域の標準的な動線です。

センター側は、特定の事業所に紹介を集中させることが利用者選択権の侵害につながるため、地域内の居宅介護支援事業所を公平にリスト化し、利用者の希望条件(自宅から近い、医療ニーズ対応可能、認知症対応経験あり等)に応じて複数候補を提示する運用を原則としています。居宅ケアマネ側が取るべき行動は、この公平リストから漏れないこと、そして利用者条件に合致したときに第一候補として想起される状態をつくることに集約されます。

2-1. 事業所情報の正確な届出

地域包括支援センターは、地域内の居宅介護支援事業所一覧を独自に整備しているケースが多く、事業所名・所在地・電話番号・FAX・受付時間・対応エリア・常勤ケアマネ数・主任ケアマネ配置の有無・受入可能件数の目安・対応実績の特徴などを把握しています。事業所側は、これらの情報をセンターに正確に届け出る、変更時に速やかに更新する、年度切り替え時期に最新版を提出する、といった基礎的な情報メンテナンスを継続することが第一歩です。

2-2. 地域ケア会議への参加

地域ケア会議は、地域包括支援センターが主催する個別事例検討・地域課題検討の場で、地域包括ケアシステム構築の中核的な仕組みです。介護保険法第115条の48により制度化されており、居宅ケアマネが事例提供者・参加者として関わることで、センター職員・他事業所のケアマネ・医療職・自治体職員などとの専門職ネットワークが自然に形成されます。会議参加そのものを営業手段化することは避けるべきですが、地域の専門職コミュニティに継続的に貢献することは、結果として事業所の信頼性醸成につながります。

2-3. 介護予防ケアマネジメント業務の受託

地域包括支援センターが行う介護予防ケアマネジメント業務は、居宅介護支援事業所への一部委託が認められています。委託契約を締結している事業所は、要支援者の担当を通じてセンターとの実務的な接点が継続的に発生し、要介護認定への移行時に同じ事業所が居宅サービス計画を引き継ぐ流れが自然に成立するケースもあります。委託受託は地域ケアの一翼を担う公的役割でもあり、新規担当獲得のチャネルとしてだけでなく地域貢献の観点からも検討に値します。

3. 医療機関(病院MSW・退院支援部門)との連携

急性期病院・回復期リハビリ病棟・地域包括ケア病棟からの退院時、患者が要介護状態であれば居宅介護支援事業所のケアマネが在宅復帰の調整役を担います。診療報酬上、入退院支援加算や退院時共同指導料の算定要件にケアマネとの連携が組み込まれており、医療機関の医療ソーシャルワーカー(MSW)・退院支援看護師・地域連携室は居宅ケアマネとの実務的な連携先となっています。

医療機関側も、退院後の在宅生活を支える居宅介護支援事業所を地域でリスト化しており、退院支援カンファレンスにどの事業所を呼ぶか、退院時共同指導をどのケアマネと行うかは、入院期間中の情報提供の質・連絡応答の速さ・医療職とのコミュニケーション能力などを総合的に勘案して選定されます。出典:厚生労働省「令和6年度診療報酬改定」入退院支援加算・退院時共同指導料関連通知。

3-1. 入退院連携ルールの順守

多くの市町村・医療圏では、入退院時のケアマネ・医療機関連携ルール(情報提供書フォーマット、連絡タイミング、共同指導の進め方など)が地域協議会等で取り決められています。居宅ケアマネ側は、まず自地域の入退院連携ルールを正確に把握し、ルールどおりに動くことが医療機関からの信頼の出発点となります。地域ルールの存在自体を把握していない事業所は、医療機関の退院支援担当者から「連携が難しい事業所」と判断される可能性が高まります。

3-2. 医療ニーズ対応実績の整理

医療機関が退院支援で連携先を選ぶ際、医療ニーズの高い利用者の対応経験が一定の判断材料となります。事業所内で対応可能な医療ニーズ(経管栄養・吸引・在宅酸素・在宅人工呼吸器・終末期対応・特定疾患の経験など)を整理し、医療機関への事業所案内に正確に反映することは、利用者条件に合致したときに第一候補として想起される状態づくりに直結します。誇大表現は厳禁で、対応経験のない領域を「対応可能」と表記することは医療機関の信頼を失う最大のリスクです。

3-3. 訪問看護ステーションとの連携経路

医療ニーズが高い退院患者の在宅復帰では、訪問看護ステーションが居宅サービス計画の中核に位置づけられるケースが多くなります。訪問看護ステーションの管理者・看護師との実務的な連携経験を積み重ねている居宅ケアマネは、医療機関からも訪看ステーションからも紹介の流れが自然に発生する傾向があります。複数の訪看ステーションと特定の利害関係なく協働できる姿勢が、長期的なネットワーク形成では有効です。

4. 居宅介護支援事業所間の役割分担

地域内の居宅介護支援事業所同士は競合関係であると同時に、相互補完の専門職コミュニティでもあります。各事業所が受入上限に達した場合、対応エリア外の依頼が入った場合、利用者の医療ニーズや疾患特性に対する対応経験の差がある場合などに、事業所間で紹介・相談が発生します。健全な役割分担関係を地域内で築いている事業所は、結果として継続的に新規担当の流入が発生するチャネルを得ることになります。

4-1. 受入上限の透明化

指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準では、介護支援専門員1人当たりの取扱件数の標準が定められており、それを超える件数を担当することは運営基準減算の対象となります。事業所として常勤ケアマネの担当件数上限を正確に管理し、上限近くに達した時点でその旨を関係機関に伝える運用は、地域全体での担当割り当ての最適化に貢献します。出典:厚生労働省「指定居宅介護支援等に要する費用の額の算定に関する基準」運営基準減算規定。

4-2. 地域包括ケア圏域ごとのネットワーク

市町村が設定する地域包括ケア圏域(おおむね中学校区相当)ごとに居宅介護支援事業所連絡会・ケアマネ連絡協議会等が運営されており、事例検討・制度学習・地域課題共有の場として機能しています。連絡会への継続参加は、他事業所のケアマネと顔の見える関係を築き、互いの強みを認識し合う基礎となります。出典:厚生労働省「地域包括ケアシステムの構築について」関連資料。

5. 住民窓口・自治体への情報提供

市町村の介護保険担当窓口は、要介護認定の申請受付・認定結果の通知・介護保険制度全般の住民相談の最前線です。窓口では地域内の居宅介護支援事業所一覧を住民に提示するケースが多く、自治体が公表する事業所情報の正確性は新規相談の入口を左右します。事業所側は、市町村への変更届を遅延なく提出し、自治体が公開する事業所情報(介護サービス情報公表制度の登録情報を含む)を最新状態に保つことが基本動作です。

介護サービス情報公表制度は、介護保険法第115条の35に基づき、すべての指定事業所が事業所情報を都道府県に報告し公表される仕組みです。利用者・家族が事業所を比較検討する際の公的な情報源として位置づけられており、ここに掲載される情報(職員配置・営業時間・サービス提供地域・運営方針・苦情対応体制・事故発生時の対応マニュアル整備状況等)の正確性と網羅性が、間接的に新規相談の母集団形成に影響します。出典:厚生労働省「介護サービス情報公表制度」。

5-1. 介護サービス情報公表制度の活用

同制度では年1回程度の情報更新が求められ、虚偽報告は指導対象となります。掲載項目のうち、運営方針・サービス提供の特色・事故発生時の対応・職員研修体制などは、利用者・家族が事業所を比較する際に重要な判断材料となる項目です。形式的な記入で済ませるか、事業所の実態を率直に表現するかで、検討中の利用者・家族からの印象は大きく変わります。

5-2. 自治体の地域ケア施策との接点

市町村は地域支援事業の一環として、認知症初期集中支援チーム・在宅医療介護連携推進事業・生活支援体制整備事業など多様な施策を運営しています。これらの施策にケアマネとして関与することは、自治体担当者・関係機関との実務的な接点を継続的に確保し、結果として地域の中で「相談相手として想起される」状態を作る一要素となります。

6. 利用者・家族からの相談対応

地域包括支援センター・医療機関・自治体窓口を経ずに、利用者・家族から事業所に直接相談が入るケースも一定割合存在します。事業所の事業所案内・自治体の事業所一覧・口コミ・既存利用者からの紹介などが入口となり、電話・来所・問い合わせフォームを通じた初回相談が発生します。この最初の接点の質が、新規担当獲得の成立率を直接左右します。

6-1. 初回相談の応対設計

初回相談の電話・来所応対は、ケアマネジメントの専門性が最初に伝わる場面です。相談者が抱える状況(認定申請前か後か・要介護度・家族構成・住居形態・既往歴・現在のサービス利用状況など)を丁寧に聴き取り、現時点で取り得る制度的選択肢を中立的に説明する姿勢が基本となります。受任可否は事業所の受入余力・対応エリア・利用者条件で判断され、受任が難しい場合も他事業所・地域包括支援センターへの案内まで責任を持って行うことが地域の信頼につながります。

6-2. 重要事項説明書・契約書の整備

指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準では、利用申込者に対する重要事項説明・契約書の交付が義務づけられています。説明書・契約書の文面が利用者・家族にとって理解しやすく整備されているか、複数の指定居宅サービス事業者を紹介可能であることの説明が明示的に記載されているかは、初回契約時の利用者満足度に直接影響します。出典:厚生労働省「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」第4条。

7. 既存利用者の継続のための関係構築

新規担当獲得の議論は、しばしば外部チャネルの整備に焦点が当たりますが、長期的に最も影響が大きいのは既存利用者・家族との関係の質です。担当ケアマネへの信頼が高い利用者・家族は、同じ地域の親族・知人が要介護状態になった際に事業所を口頭で紹介する流れを自然に生み出します。これは制度上禁止された経済的便益の授受とは無関係な、健全な信頼関係に基づく地域内の情報伝播です。

7-1. モニタリング訪問の質

月1回以上の利用者宅訪問によるモニタリングは、居宅介護支援の中核業務であり、運営基準上の必須実施事項です。形式的な状況確認に留まるか、サービス利用状況の評価とケアプランの妥当性検証まで踏み込むかで、利用者・家族の満足度は大きく変わります。モニタリング記録の充実度は、運営指導や実地指導での評価対象でもあり、事業所運営の品質指標としても機能します。

7-2. 苦情対応体制の整備

運営基準では苦情処理のための窓口設置と記録保管が義務づけられています。苦情そのものを減らすことよりも、苦情発生時の対応の透明性・迅速性・改善反映の確実性が利用者・家族の長期的な信頼を左右します。苦情対応の質が低い事業所は、既存利用者を通じた負の口コミが地域内で広がる確率が高まり、新規担当獲得チャネル全体の機能不全につながります。

7-3. ケアプランの説明責任

居宅サービス計画の作成過程で、利用者・家族にサービス選択の根拠を丁寧に説明することは、ケアマネジメントの公正・中立性を体現する場面です。「なぜこのサービスを選ぶのか」「他にどのような選択肢があったのか」「複数の同種事業所の中からなぜこの事業所を選んだのか」を説明可能な状態で記録に残すことが、運営指導対応と利用者信頼の双方を支えます。

8. 自己解析チェックリスト(10項目)

自所の新規担当獲得チャネルが健全に機能しているかを、以下の10項目で自己診断してください。YESが多いほど、制度的枠組みに沿った持続的なチャネル設計が整っていると判断できます。

  1. 事業所案内(所在地・連絡先・対応エリア・常勤数・特徴)が最新版で地域包括支援センターに届けられている
  2. 介護サービス情報公表制度の登録情報が直近1年以内に更新され、実態と整合している
  3. 地域ケア会議・地域包括ケア圏域の連絡会に常勤ケアマネが定期的に参加している
  4. 地域の入退院連携ルールを把握し、医療機関からの照会に概ね2営業日以内のレスポンス目安で対応している(運用目標として)
  5. 事業所内で対応可能な医療ニーズ・疾患特性を文書化し、誇大表現なく医療機関に共有できている
  6. 常勤ケアマネ1人あたりの担当件数が運営基準減算の対象とならない範囲で管理されている
  7. 初回相談の電話・来所応対マニュアルが整備され、受任困難ケースの他機関紹介ルートが明確化されている
  8. 重要事項説明書に複数の指定居宅サービス事業者を紹介可能であることが明示的に記載されている
  9. モニタリング訪問記録がサービス評価・ケアプラン妥当性検証まで踏み込んだ内容で記録されている
  10. 苦情対応窓口が機能し、苦情発生時の改善反映プロセスが事業所内で文書化されている

7項目以上 YES なら制度的枠組みに沿ったチャネル設計が概ね整っている状態、4〜6項目 YES なら一部チャネルに改善余地がある状態、3項目以下 YES なら基礎整備から優先度高く着手すべき状態と整理できます。

9. 新規獲得を急がない方が良いケース

新規担当獲得を全方位で推進することが、必ずしも事業所運営にとって最適とは限りません。以下のケースでは、新規獲得を一時的にセーブし、既存利用者対応の質と事業所体制の整備に投資を寄せることが、中長期的な持続性を高めます。

  • 常勤ケアマネの担当件数が運営基準減算の境界に近づいている場合——受入上限を超えると報酬減算対象となり、新規獲得の経済的メリットが消失する
  • 運営指導・実地指導で改善指示を受けている期間中——改善対応に資源を集中させる方が事業所の持続性を高める
  • 主任介護支援専門員の在籍がなく、管理者要件の経過措置終了が近づいている場合(2027年3月末まで延長中)——主任ケアマネ確保が新規獲得より優先される
  • 常勤ケアマネの離職が続き、既存利用者の担当変更が頻発している場合——既存利用者の安定対応が信頼回復の前提となる
  • 特定事業所加算の算定要件を満たせなくなる兆候がある場合——加算維持に必要な体制整備を優先する

事業所運営の安定性と新規獲得の推進は、一方を犠牲にして他方を伸ばせる関係ではなく、両者が連動して機能する関係にあります。受入余力・体制整備・職員定着の3点が揃った状態で新規獲得活動を本格化させることが、結果として最も合理的なアプローチとなります。

10. よくある質問(FAQ)

Q1. 地域包括支援センターに事業所のリーフレットを置いてもらえますか?
センターによって運用が異なります。地域内すべての居宅介護支援事業所のリーフレット・事業所案内をラックに公平に並べているセンターもあれば、来所相談者には地域内事業所一覧を提示し個別のリーフレットは原則置かない方針のセンターもあります。各センターの方針に従い、特定事業所への誘導と受け取られる持ち込み方は避ける必要があります。
Q2. 退院支援カンファレンスに事業所が呼ばれません。改善方法は?
医療機関の退院支援部門が居宅事業所を選定する際、入院期間中の情報提供書の質・連絡応答の速さ・医療職とのコミュニケーション能力・地域の入退院連携ルール順守状況・過去の連携経験などが総合的に判断材料となります。地域の入退院連携ルールを再確認し、医療機関への事業所案内に対応可能な医療ニーズを正確に明記し、過去の連携経験を蓄積していくことが基本的な改善方向です。
Q3. 紹介の見返りに何らかの便益を提供することは可能ですか?
紹介の対価として金銭・物品・サービス・その他の経済上の利益を授受することは、ケアマネジメントの公正・中立性を損なう行為として制度的に禁じられる方向で運用されています。地域包括支援センター・医療機関・他事業所からの紹介に対し、見返りを期待した便益提供を行うことは、事業所指定の取消事由となり得る重大なリスクです。健全な信頼関係に基づく地域連携のみが持続可能なチャネルとなります。
Q4. ウェブサイト・SNSでの広報は可能ですか?
事業所のウェブサイト・SNSでの広報は一般的に行われており、事業所情報・運営方針・対応可能サービスなどの情報発信は問題ありません。ただし、特定の利用者の個人情報・ケアプランの内容を本人同意なく掲載することは個人情報保護法違反となり、誇大表現・上位表記等の根拠なき訴求は景品表示法上のリスクとなります。情報発信の内容は、事業所案内に記載するレベルの事実情報を中心に整理することが安全です。
Q5. 既存利用者の家族から「親戚にも担当してほしい」と言われました。受任して問題ないですか?
既存利用者・家族からの紹介を受けて新規利用者を担当することは制度的に問題ありません。むしろ、信頼関係に基づく自然な地域内の情報伝播は、健全な新規獲得チャネルの典型例です。受任にあたっては、新規利用者本人に対し重要事項説明書を交付し、複数の指定居宅サービス事業者を紹介可能であることを含めて中立的に説明し、本人の選択意思を確認することが必要です。
Q6. 受入上限に達した場合、新規相談はどう対応すべきですか?
受入上限に達した場合は、その旨を率直に相談者に伝え、地域包括支援センターまたは地域内の他事業所への案内まで責任を持って行うことが、地域連携と利用者保護の双方を満たす対応です。受入余力がない状態で無理に受任すると、運営基準減算・モニタリング品質の低下・既存利用者対応の劣化など事業所運営の根幹に影響します。短期の獲得より長期の信頼を優先する判断が結果として持続的なチャネル形成につながります。
免責事項
本記事に記載の制度・運営基準・連携ルールに関する情報は、2026年6月時点で確認できる厚生労働省告示・通知・公開資料に基づき編集部が整理したものです。地域包括支援センターの運用・入退院連携ルール・自治体の地域支援事業の運営は市町村ごとに差があり、随時更新されます。実際の連携活動・運営判断にあたっては、あらかじめ勤務地の市町村介護保険担当窓口・地域包括支援センター・所属事業所連絡会の最新情報をご確認のうえ、ご自身の責任でご判断ください。本記事は特定の事業所・コンサルティング会社への誘導を目的としたものではありません。

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